『岡崎ロケ・その風と香り』
(旧題:ロケ地の風景)
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『好事魔多し』 2005/12/06(Tue)
人生の落とし穴はノリノリの時に限って突然現れます。
朝からハイテンションで、まさに『頭のテッペンからつま先まで』 ビシッと決めて、いそいそと歩いて集合場所のホテルまで出向き、一抹の不安はあったモノの“衣装係りの人”に「完璧です」とお墨付きまで頂いたので、そっち方面の警戒感はゼロだったのですが・・・、
突然現れた1人の男性に
「その眼鏡ダメですから(撮影の時は)外して下さい」
と、冷たく言われてしまいました。
「が〜〜〜〜〜〜〜ん」・・・・・・・・。
あまりのショックに全身から精気が抜け落ちて行くのを感じながら、それでも抵抗して「えぇ?チャンとめがね屋さんでOKもらったんですよ」と言ってみたのですが 「ダメです。その形はまだ出てません」と冷たいひと言で終りでした。 それどころか間髪入れずに「その雪駄もダメです。替えて下さい」と言われ、もう何が何だか分からない状態で『軽いプチパニック状態』と言うか、ホント10分くらい黙り込んじゃいました・・・。あれだけ1人でしゃべりまくってたのに・・・。
誤解を受ける恐れがありますので、先に書いておきますが基本的なルールとして
『このドラマの撮影で使う小道具は全てにおいて「80点90点では使えません。100点のモノをご用意しています」というこだわりのスタンス』 が存在し徹底されているだけの事で、こちらが勝手な事をして迷惑をかけている・・・って状況なんです。 それが理解できたのは、その“雪駄”を替えた時です。
その男性が奥から持って来た物は“下駄”でした。
リサーチで“70年前の遊びの達人”より「下駄は普段履き、ここ一番は雪駄」と教えて頂いていますし、自分の中で“『遊び人』の呉服屋の?代目”が仕事サボって『おネェちゃんのいるお店』に遊びに行くところを想定してましたので、雪駄は譲れません。
「あぁ・・・、下駄・・・ですか?」と力なく聞いたら「雪駄がよろしかったですか?」とアッサリ。 衣裳部屋に入り、雪駄を手渡しして頂く時に「ビニール(製)か本物かって違いだけなんですけどね」と言われて、何となく理由が分かりました。
確かに“貸し衣装屋”の社長さんの私物である雪駄を借りる時に「ビニール製だけど、どうせそんなトコまで写らないでしょ」って会話がなされていましたから・・・。分からなかったら、バレ無ければ、っていう発想は現場のスタッフには微塵も無かった・・・って事です。
(同じNHKでも、某プロデューサーは違ってましたが)
まぁNGも仕方ない・・・って言うよりも『若きTV屋の職人気質』に頭が下がる思いになりました。
と言いたいところですが、その時点では
「理屈では納得できるけど、それ位イイじゃん!」って気持ちの方がまだ強く、相当ヘコんでました。
私がヘコんでるスキをついて本日の目玉“井川 遥”さんが5m先を横切ったらしいのですが、全く気が付きませんでした。
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