文 化更新日: 2001. 3.22
概 要

 ボラカイ島は、フィリピン・ビサヤ地方にありますので、マニラ近郊とは少し違った文化圏になります。
 観光地ですのでマニラや他の地方出身者がボラカイ島に働きに来ています。 (写真: 下校するボラカイ島の生徒 →)


ことば

 英語はフィリピンの公用語ですので、英語での意志伝達に不自由はありません。個人差はありますが、アジアでは最も英語を話す国民です。ただし、独特なアクセントがありますので日本人には分かりにくいかも知れません。
 フィリピンの英語に慣れるまで、すこし時間がかかるでしょう。
 フィリピンの国語はフィリピノ(Filipino)と定められていますが、地方にはそれぞれ独自の言語があります。

 パナイ島の主要な言語はイロンゴ(Ilongo)ですが、ボラカイ島の言語はアクランの言葉を話し、アクラノン(Aklanon)といいます。マニラ近郊のタガログ語とは少し単語や文法が違います。

 言語の専門家はこのような地方の言葉をバナキュラー・ランゲジ(Vernacular Language)と呼び、「方言」(Dialect)とは呼ばないようです。
 フィリピンの言語について更に詳しくは、Ethnologue: Philippines をご覧ください。このページは、SIL(Summer Institute of Linguistics) のサイトにあります。SIL は、フィリピン少数民族の言語調査を系統的に行った民間団体です。

 スペインの植民地でしたので、スペイン語を起源とする単語や表現も少なくありません。現在ではスペイン語は、物の名前や、時刻、数を数える時以外ほとんど使われません。スペイン語の表現を使う例としては、2時半を"A las dos y medya."(アラス ドス イ メジャ)と言うことがあります。

音楽・民族舞踊
 フィリピン人ほど歌とダンスを愛好する人たちは、中国ミャオ族以外、アジアにはないと思われます。

 フィリピンやアメリカのすぐに歌える歌の一つや二つは、たいていのフィリピン人が持っています。人によっては日本の演歌も歌えるかも知れません。また、民族舞踊は学校で習いますので「基礎」ができています。
  (写真提供: The Folklorico Filipino Dance Company)

 (1)音 楽

フィリピンにおける音楽の特徴を列挙すると次のようになります。

英語に不自由しないのでアメリカ直輸入の音楽が日常まで浸透する。
ディスコとバラード系が好きである。
日本に比べて生演奏を聞く機会が多い。(うまい、へたは別として..)
音楽番組を中心とするAM、FM局がたくさんあり、音楽が日常に豊富である。
 放送中:ABS-CBN / DWRR [101.9MHz](音楽専門局ではありません)

伝統音楽はスペインの影響を受けている。
 実例: Dahil Sa'yo (ダヒル・サ・イヨ) フィリピンで最も知られた歌
マドリガル・シンガーズのダヒル・サ・イヨ 哀愁に満ちた美しい ア・カペラ (期間限定) Philippine Madrigal Singers LIVE 、1981年 Patras, ギリシャ公演より(テープ製作者不明)


最近のアーティストの音楽はこちらのリンクをご覧ください。
OPM lyric archive - realaudio
OPM lyric archive - midi (カラオケと思われます)
OPMとはフィリピンのオリジナル音楽(Original Pilipino Music)のことです。
 (2)民族舞踊

フィリピンの民族舞踊は普通次の5つに分類されます。
(今まで簡単化して3つに分類していましたが、フィリピンでは一般に5つに分類されているので,それに合わせて記述を変更しましたのでご了承ください。)

(1)山地民族舞踊
 イフガオ、ボントック、カリンガなどの山地先住民族の舞踊です。
 台湾のピューマ族などの一部の山地部族とは同じルーツです。山地部族にはアメリカ先住民を含め、なにか共通な要素があるようです。
 楽器はドラ、太鼓、笛といったところです。
 実例: Lumagen (ルマゲン)   北部ルソン、カリンガ族の感謝の踊り

(2)モスレム、海洋民族舞踊
 フィリピン南部スールー諸島では現代でも日常的に踊られています。細かく刻むリズムが多く、軽快です。
 日本でも知られるバンブーダンスは、本来はモスリム王侯貴族の優雅な舞踊です。
 実例: Singkil (スィンキル)   ミンダナオ、バンブーダンス
 実例: Pangalay (パンアライ)   ミンダナオ、ホロ島のダンス

(3)マリア・クララ
 洗練されたステップを踏むスペインのダンスを継承したものです。上流階級の社交ダンスとしてマリア・クララというスタイルがあります。
 実例: Aray   (アライ)    マリア・クララスタイルのダンス

(4)地方の舞踊
 スペインやヨーロッパの舞踊は田舎に伝わって地方独特のダンスをたくさん産んでいます。その中でもバンブーダンスは最も有名です。
 実例: Pandanggo sa ilaw(パンダンゴ・サ・イラウ) ランプを頭に載せて踊る優雅なダンス
 実例: Tinikling(ティニックリン) あのバンブーダンス
 実例: Tinolabong(ティノラボン) ビサヤ地方パナイ島カピスのダンス

(5)少数民族の舞踊
 ミンダナオのキリスト教徒でもモスレムでもない人々の舞踊です。ダバオのマンサカ(Mansaka)、中部ミンダナオのバゴボエ(Bagoboe)、北部ミンダナオのブキドノン(Bukidnon)、バシラン島のヤカン(Yakan)などです。
 ボラカイ島で伝統舞踊を見たい方は、ティタイ・シアターレストラン(Titay Main Garden Theater-Restaurant & Bar)で毎日夜7時よりディナーショーが開催されています。そちらへおいでください。 内容は日替わりになっています。場所はロレンソ・メインの近くでCasa Pilarの横の道を少し入った分かりにくい所にあります。観光客向けですのでダイジェスト的な感じは否めません。  洗練された伝統舞踊はマニラのバヤニハン・ダンスカンパニーなどで見ることができますが、残念ながら年に何回も公演はありません。海外での公演が多く、来日することもあります。
 メニューのフィリピンの本でAmazon.comで購入できるCDを簡単に紹介しました。一度訪問ください。
フィリピンの民族舞踊について、更に詳しくはこちらのリンク先をご覧ください。

(1)Noel's Pilipino Folk Dance Glossary フィリピン伝統舞踊を分類して紹介
(2)The Bayanihan Dance Company バヤニハン・ダンスカンパニーの紹介

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