赤ちゃん誕生

 ピピ ピピ ピピ ピピ ピピ ピピ ピピ ピピ ピピ ピピ ピピ ピピ ピピ ピピ 

セキセイインコのピピ夫婦にはなかなか子供が出来ませんでした。もう2年も前から一緒にいて 夫婦仲も良いし 巣箱もちゃんと用意して赤ちゃん誕生を心待ちしていたのに なぜか子供に恵まれ なかったのです。この先 もうこの夫婦には 赤ちゃんは望めないのだろうと諦めかけていました。 2羽が仲良く暮らして長生きすればきっと幸せだろう…と思って可愛がって世話をしていたのです。

ところが平成10年の6月の初め頃から雌鳥のチヨちゃんが巣箱に入ったり出たりするように なりました。そして間もなくチヨちゃんは巣箱の中に入ったままで外に出てこなくなったのです。 そのかわり雄鳥のピピちゃんが巣箱の入口のところまでせっせと餌を運んで チヨちゃんに 口移しで餌を食べさせている様子が見られるようになりました。とてもほほえましい風景でした。

「きっと赤ちゃんだ!」 o(^-^)o 

私はとても感動しました。待ちに待っていた産卵が始まったのです。私は子供の頃からの夢で 「大人になったらいつかきっと小鳥のヒナを自分の手で育てて手乗りにしたい!」と思ってました。 今 その願いが実現するのです。私の心はわくわくドキドキで いつヒナが生まれるかと一日千秋 の思いでした。ヒナ鳥の声がいつ聞こえてくるかと 毎日そ~っと鳥かごに耳を傾けていました。

私は巣箱の中を見たくてたまりませんでしたが 巣箱を覗いてチヨちゃんを驚かせてはいけないし もし抱卵しなくなってしまったら大変と思ってグッと我慢しました。そして待つこと約3週間。

“待ち遠しかった~”

間もなくして 巣箱の中からかすかに「ピー ピー」と小さな鳴き声が聞こえてきました。
ヒナがかえったのです! 私は心の中で「ヤッタ~!赤ちゃんだ」と叫んでいました。 鳴き声は 少しづつ元気な大きい声になってだんだん数も増えてきました。何羽いるのかな? そして 又2週間くらい待ちました。巣箱の中はかなり賑やかになってきて ピピお父さんも チヨお母さんもせっせとヒナたちに餌を運んでいます。チヨお母さんは くちばしから胸あたり まで黒く汚れて痛々しいほどお母さんぶりを発揮していました。きっとヒナたちがお母さんに 「おなかがすいたよぅ~」と言って先を争ってお母さんから餌をもらっていたのだと思います。

いよいよ巣箱の扉を開けてみることにしました。赤ちゃんは何羽いるのかな? 「わくわく、ドキドキ」
「あっ! なんと…」 私は驚きと感動で思わず目がうるうるに…

ヒナは5羽生まれていたのです!

pipi-child1a
(平成10年 7月12日 撮影)

赤ちゃんで~す