前戦のサウジアラビアGPで熱戦の末にマックスとハミルトンが全く同じポイントとなり、最終戦でのリザルトでチャンピオンが決まるという極稀な戦いになりました。因みに両者リタイアになった場合には、2位を獲得した数でマックスが上回り、マックスがチャンピオンになるという計算のため、マックスがハミルトンにぶつかって行くのではないかという話まで出ていたほどです。(故意と見なされなければ両者ノー・ポイントで上記の通りとなる)
今回の最終レースも、決戦という意味ですばらしいレースでした。
予選ではマックスがポールポジション(1位)を獲得し、ハミルトンをリードします。
ところが決勝では、スタートからハミルトンがマックスをオーバーテイク(追い抜き)してトップにたちました。
その後マックスはチームメイトのチェコ(セルジオ・ペレス)の助けを得ながら、必死に食いつくのですが、なかなかトップにたつことができない中、59周のレース最終版、後方の一台がクラッシュし、レッドフラグが出されました。この場合、セイフティーカーがコースがグリーンになるまで先導するのですが、この間にマックスはピットインしてタイヤ交換しました。
フレッシュなタイヤに履き替えたマックスと異なり、ステイアウト(そのままレースにとどまる)を選択したハミルトンと最後の戦いになります。この時、本来レッドフラッグの間には順位を入れ替えられないのですが、マックスがピットアウトした時に、ハミルトンとマックスの間に5台の車が残ってしまいました。本来はマックスの後ろにつけないといけない5台の車も追い越さなければいけないのか?とヒヤヒヤしたのですが、マックスのチームからコントロールセンターに抗議が入ったのか、結果的に間に挟まった5台がセイフティカーを追い抜き正しい順位にも戻ることになり、ハミルトンとマックスの一騎打ちに戻りました。
さてここで、マックスはピットインしてフレッシュタイヤですが、ハミルトンはステイアウトして古いタイヤのままです。通常であればハミルトンもタイヤ交換をするのが定石だと思うのですが、ハミルトンとしては、ここでタイヤ交換のためにピットインしてしまえば順位が入れ替わりトップの座をマックスに取られるかもしれない!というプレッシャーがあり、博打ではありますが、現状のトップを維持したかったのだと思われます。
セイフティカーが退場してレース再開した時には、ハミルトンーマックスという順序でした。
残り1周。
ここで前代未聞の大どんでん返しが起こります。
フレッシュタイヤを履いたマックスは、この最後の一周でハミルトンを抜き去り、1位でチェッカーフラッグを受けます!
マックス・フェルスタッペン優勝!
同時に2021年F1世界チャンピオンもマックス・フェルスタッペンに決定!
そしてホンダとしては30年ぶりのワールドチャンピオン獲得という快挙を成し遂げたのです。
このレースは、ホンダがF1をリタイヤする最後の一線でした。それを有終の美で飾ったのです。
因みに、このレースを最後にF1を去っていくものが多くあります。
キミ・ライコネン。アントニオ・ジョビナッツィ。キミは、ワールドチャンピョンも獲得したことがあるレジェンドです。
そして長年F1を支えてきた13インチタイヤ。来年からは18インチタイヤとなります。
また、ボディも来年から新しいレギュレーションとなり、F1マシンの姿を一新することになります。
ホンダは一線からは退きますが、HRCという名前でレッドブルを支援しながら継続してF1パワーユニットを運用していくことになります。
大きな変革期に、長い間F1を席巻してきたメルセデスAMGペトロナスから、ドライバーズ・チャンピオンを奪取したレッドブル・レーシングテクノロジー。来年からどんな戦いになるのかは、誰にもわからないでしょう。
しかし、新しい変革が次々に飛び出して来て、ファンを喜ばせてくれることは間違いないでしょう。来年のグランプリが楽しみで仕方ありません。
そうだ!
大事なことを忘れちゃいけません。
日本人ドライバーとして久しぶりに参戦してくれている「角田裕毅(つのだ・ゆうき)」選手です。
今年デビューした角田選手は、デビュー戦でこそ華々しく入賞を果たし、あっと言わせましたが、以降はトラブル続きで結果を出すことができないでいましたが、この最後の一線で堂々の4位入賞を果たしました。
0.5秒くらいの差で3位も狙えたので、こちらも有終の美と言っていいでしょう。そして同時に今年初めてチームメートのピエール・ガスリーの前でフィニッシュしました。こちらも快挙です!
ということで、集めてみた画像のあれこれをご紹介いたします。