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インターネットお箏講座

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第1章 箏ってどんな楽器?

箏という楽器は、今から1400年ほど前の奈良時代に中国から渡ってきました。
その頃は「楽箏」といって雅楽(主に今様、越天楽など)の伴奏楽器として使われて
いました。今では神社とか結婚式場などで見たり聴いたりすることがあると思います。
その後は、長い間脇役として使われてきましたが、室町時代の末期に北九州の
久留米というところから栄え、だんだん東の国に発達して京都で最も盛んになり
『六段の調べ』で有名な八橋検校(やつはし けんぎょう)(1614-1685)という
作曲家によって、脚光を浴びるようになったのです。

そして『春の海』で有名な宮城道雄(みやぎ みちお)が明治27年(1894-1956)に生まれ、
新しい作品が紹介されてからというものは、日本の伝統的な楽器として全世界の人々の
心の中に浸透してしていったのです。

優雅で上品な音色は誰からも愛され心のふるさととして
いろいろな機会に必ず耳にするようになりました。

さてと一口に言っても、箏にはいろいろな種類が
あります。大きく分けて次のような種類があります。

◇ 和琴 (wagon)◇ 二十絃 (nijuugen)
◇ 三十絃 (sanjuugen)
◇ 楽箏 (gakusou)◇ 一絃琴 (ichigenkin)
(koto)◇ 二絃琴 (nigenkin)
十七絃 (juushichigen)◇ 大正琴 (taishougoto)

この講座では 十七絃 についての説明をすることにいたします。

「琴と箏ってどこが違うの?」って 疑問に思われる方もいると思い
ますので、次に「琴」「箏」の違いについて説明をしましょう。

わが国において、普通、コトと呼ばれているのは、十三絃の箏のコトを指しているが、他に、文字の上ではなじみの深い、琴のコトがある。 しかし、琴は実際には大変珍しい楽器で、われわれの目にふれることはきわめてまれである。ここで簡単に、「箏」と「琴」との相違について述べてみたい。

 

「箏」には、箏柱(ことじ)と呼ぶ駒があり、各絃の中間を支えてポジションを決める。弾奏 の際には、主として右手を前後に動かして音を出す。

「琴」には 「七絃琴」のように 大変複雑な手法のある楽器があるので一概にはいえないが 共通していることは 琴柱がないことと ポジションは 左手の転管を 絃上の左右に移動させることによって音を生じる。すなわち 開放弦以外の音は 転管の操作によって作られるわけである。

邦楽社発行「季刊邦楽 6号」より

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