四月のはじめに咲きそめた きれいな桜よ よいかおり
桜はみんなをよろこばせ 微かな風に散ってゆく
弊社前の大門小学校校庭の桜が、みごとに咲き匂っている
今年の春は、寒さ厳しかった冬の延長線上にあったのか、なかなか暖かさを感じられない日が続き、”地球温暖化”などあるのだろうかと感じていました。
そこに3月11日の東日本大地震です。この時、椅子に座っていたのですが軽いめまいを感じました。
地震!
そう判断するのに時間は必要ありませんでした。立ち上がって部屋の中央に移動。ゆっさゆっさと非常にゆっくりした横揺れが長く続きました。
「これはかなり遠い場所での地震のようだが、かなり大きいぞ!」
阪神淡路大震災の記憶がよみがえりました。
TVでの速報に釘付けになりながら、東北から関東にかけて震度が大きかったことを知り、埼玉で電気工をしている友人に電話を入れました。
「けっこう大きかったね。あっ!また揺れてきた」
電気工事で現場にいた友人は、TVを見ていないため地震の大きさをまだ実感していないらしく比較的冷静に話をしていました。
津波そして原発の異常事態と情報が入るたびに被災された方たちの事を想い、心がつぶれそうだった。
ふと茨城県日立市に住む遠い親戚のことを思い出し、電話をかけてみるが「プープー」と話中になっている。
12日にはコールしているが誰も電話に出てくれない。
「海岸がすぐそこにあるんですよ」
そんなことを聞いていたから「津波に襲われたのだろうか」と心配になる。
13日のお昼時、漸く電話に出てくれた。
「今朝まで避難所にいたんですよ。夜は車の中で寝ていました」
お年を召したご夫妻には大変なことだったのだと思うのですが、意外に明るい声で話してくれました。
報道されているように被災者の方々の毅然とした姿は、遠く離れた岡崎に住む私にも感動と勇気を与えてくれます。
想像もできないような大変な状況の中でも人としての尊厳を忘れずに生活するその姿には、「盛岡の桜さ石ば割って咲ぐ」という浅田次郎の壬生義士伝での吉村貫一郎の言葉を思い出させる力強さがあります。
被災地でもきっと桜は咲いて、みんなを喜ばせ、そして微かな風に散っていくでしょう。
敢えてお見舞いという言葉は使いません。
被災地の皆様、遠く離れていても私たちの心はひとつです。
ひとつの心でふんばっていきましょう。
”盛岡の桜は石ば割って咲ぐ。
盛岡のこぶしは、北さ向いても咲ぐのす。
んだば、お主らもぬくぬくと春ば来るのを待つではねぞ。
南部の武士ならば、みごと石ば割って咲げ。
盛岡の子だれば、北さ向いて咲げ。
春に先駆け、世にも人にも先駆けて、あっぱれな花こば咲かせてみろ!”