13日にも関係閣僚会議―福島第1、漁業者反発必至
あの3.11で発生した福島第1原発のトラブル(メルトダウン)から10年。
福島県もそろそろと復旧してきているようですが、いまだに解決していない問題が大きく聳えていました。
それは福島第1の廃炉作業の中で発生する「処理水」です。処理水というように、実際には放射能の心配はなく極端に言えば人間が直接飲んでも大丈夫なほどに放射能を除去してあるのですが、周りからの理解が得られず大きな貯蔵タンクに貯められ、これまで成す術もなく放置されていました。
それが漸く「海への放出」という決断を政府がするような記事を見つけました。
政府は9日、東京電力福島第1原発から出る放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法に関し、海洋放出とする方針を固めた。13日にも関係閣僚会議を開き、正式決定する見通し。漁業関係者らは周辺海域の水産物に対する風評被害を強く懸念しており、政府は安全面の周知をはじめとする対策に全力を挙げる考えだ。
JIJI.COM https://www.jiji.com/jc/article?k=2021040900712&g=eco&utm_source=top&utm_medium=topics&utm_campaign=edit
漁業者ら「納得できない」 処理水の海洋放出に反発
政府は、処理水を人体に影響がないレベルまで薄めて徐々に放出する方針。しかし、風評被害への不安は強く、漁業関係者は「絶対反対」との姿勢を崩していない。
第1原発では原子炉の冷却水や地下水が建屋に流れ込み、放射性物質を含んだ水が日々発生している。政府や東電は特殊な機器で放射性物質を取り除いて海に流す方針だが、トリチウムは現在の技術では除去できない。
海洋放出に当たっては、漁業関係者の理解を得るため、風評被害対策や売り上げが減少した場合の補償が課題となる。梶山弘志経済産業相は9日午前の記者会見で「風評被害は当然起こる。対策に万全を期す」と述べている。
原発処理水をめぐっては、菅義偉首相が全国漁業協同組合連合会の岸宏会長と7日に会談。首相は、処理水を保管するタンクが増え続ければ第1原発の廃炉作業に支障が出かねないと説明した上で、海洋放出が「現実的」とする専門家委員会の提言を踏まえて処分方法を決定する意向を伝えた。その後記者団に、処分方法を「近日中に判断したい」と表明していた。
この中に出てくるトリチウムという物質は、今の技術では除去できないほどの微小なものであり、人体への影響はないと思われているが、反対を唱える人々の言い分は、実はそこではないような気がする。
築地市場移転の時に、小池東京都知事が使った「安心・安全」というおかしなフレーズが、多くの頭の中に癌のように埋め込まれて、具体的な数値が無理な「安心」という指標が、さも最も大切なもので、これをクリアできない限り何も行ってはいけないという風潮が出来上がっている。
例えば家の中に1㎝の段差が有り、そこにお年寄りが躓いて怪我をするかもしれないから、安全ではない。
というようなものだ。
確かに人は年を取ってくると僅かな段差に躓くことはある。でも、それでは安心できないとして、それだけの為に何十万ものお金を掛けたり、最たるものはその家に住まないようにするだろうか?
そんな人はいない!と断言はしないが、まぁごくわずかな人数であろうと思うのが自然だと思います。
上記、「処理水」もその類で、トリチウムまでを取り除いて「純水」(水以外、何も含まない)などを望む人は果たして健全であるだろうか?

一般に水道水にでも、種々の異物は一定程度含まれていますし、消毒の為に塩酸も入っています。
それでも私たちは安心して飲用し、日々の生活で利用しています。
この「処理水」は、もしかしたら、この水道水よりも
純水に近いかもしれないので、
それを海洋放出することで、実害は何もないはずなのですが、ここで「安心」という心に巣くう癌が頭をもたげてきます。もちろん「安心」だけが原因ではなくて、この「処理水」を海洋放出できなくして東京電力を、ひいては日本を困らせてやろうという輩も陰で働いているかもしれませんね。
こうした似非知識を信じることなく、正しく事象を見つめる心の目を培っていきたいものだなぁと思います。
*/トリチウム
三重水素またはトリチウムは、質量数が3である水素の同位体、すなわち陽子1つと中性子2つから構成される核種であり、半減期12.32年で³Heへとβ崩壊する放射性同位体である。他の核種と同様に水素3とも呼ばれるが、歴史的経緯から固有の名称が与えられている。これはギリシャ語で「三番目」を意味するτρίτοςに由来する。
三重水素は、地球環境においては、酸素と結びついたトリチウム水(HTO)として水に混在しており、水圏中に気相、液相、固相の形態で広く拡散分布している。大気中においては、トリチウム水蒸気(HTO)、トリチウム水素(HT)および炭化トリチウム(CH3T)の3つの化学形で、それぞれ水蒸気、水素、炭化水素と混在している。なお、海水中の三重水素濃度は通常、数 Bq/Lより少ない
WikiPediaより