故・三波春夫の名言です。
Wikipediaには次のような解説がされていますね。
-------- Wikipediaから
三波を「商売気たっぷりの成金趣味」と嫌味を言う者も少なくなかった。しかし、三波自身は「お客様に自分が引き出され舞台に生かされる。お客様の力に自然に神の姿を見るのです。お客様は神様のつもりでやらなければ芸ではない」という趣旨の発言をしている。
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「金銭的な報酬を与えてくれる観客を神様と持ち上げていると思われがちだが、三波自身は神の面前で歌を披露する存在」
--------以上 Wikipedia
この「お客様は神様です」という名言を我田引水に解釈してしまっている人が多くなっているように思うことがあります。
買い物に出かけた時、会計を済ませるときに感じることが多いのですが、売る側も買う側も「お客様は神様なんだから、買う側が上位に立って当たり前」。そんな雰囲気が漂っているのですね。
まぁ、売り手としては「ありがとうございます」とお礼を述べることに異論はありませんが、買う側の人が「ありがとう」と言っていることは、ほとんど聞きません。
ここに「お客様は神様です」を誤解してしまっている人が多いのではないかと感じる訳です。
本来、自分が欲しいものと相手が欲しいものを物々交換していたことから始まったと思われる行為が、貨幣が現れたときから「欲しいものを買う」という行為に変わったのでしょう。
貨幣と交換するにしても元は物々交換と同じ「等価交換」が前提のはずです。
もちろんここで言う「等価」とは、お互いがその価値を認め合ったということで、物に対する価値は人それぞれでしょう。
しかし、購入するということは、そこにその貨幣に対する価値と、物品(あるいはサービス)に対する価値を等価と認めたということになると思います。
そうであれば買う側も「ありがとう」の一言を添えるのが気持ちのいいことではないのかなぁと思い、できる限り実践しております。(時にはレジ係の人が慌しくって言えない時があるのが寂しいのですが)
では、買う側として「お客様は神様です」と言われたとき、どのように考えたらよいのでしょうか?
神様はきっと、「私は偉い」などとは思ってないですよね。
さらに「私の言うことは何でも正しいのだから従いなさい」とも仰らないと思うのです。
もちろん人によって神様に対する思いは様々でしょうから、「夫々の思いの中でご自身の神様像を思い描き、自分もその神様のように振舞おう」と思っていただくことが良いのかなと思います。
日々の自分の言動を思い起こすと、神様とはとても言えないことばかりですが、ふと我に返ったとき、「佇まいを正そう」と思えたら幸せなことだなぁと思わせていただきます。
売る側も買う側も、「そこに神様がいらっしゃる」と思えば、平和な世界を築けると思いますが、皆さんはどうお思いですか?