
「麒麟がくる」第7話、第8話を見て今回は男女間の恋愛感情を描いているようで大河ドラマとしての感想が思い至らず、いっそのこと見送ろうかと思ったのですが、やはり「ひとつだけ」書いておこうと思います。
それは上の「松平広忠(ひろただ)」のことです。「ひろただ」を入力しようとしたが、Windows10の漢字変換では随分後ろの候補でしか出てこなかった( ゚Д゚)
それだけ存在感が薄い、というか竹千代・家康と比べて知名度が低いんでしょうね。
けして凡庸な武将ではなかったと思うのですが、時代が悪かったですね。
広忠の父は、松平家を一気に大勢力にまで押し上げた英雄・清康(きよやす)ですが、なんと家臣に命を奪われてしまいました。これを「守山(森山)崩れ」と言いますが、清康は尾張に打って出て、織田家を滅ぼす勢いだったのです。
これは松平家一統は、清康を中心にして勢力を拡大したのですが、まだ完全には纏まっていなかったという事だと思われます。
清康の死後、広忠が松平家を率いるようになったわけですが、清康と肩を並べるくらいの同胞が何人も存在した時代背景です。その中での松平家当主ですから、形だけでも三河を纏めていくのは大変だったと思います。
そこで嫡子である竹千代(後の家康)を今川氏に人質として渡し、今川氏をバックに織田家に対抗しようとしたのに、これがまた移送の途中で織田家に売られてしまったのです。(以前の記事を参照ください。)
本来は今川家にいるはずの竹千代が、織田家にありながら、織田家と戦わなくてはいけないという非常に難しい立場に追いやられてしまったわけです。(普通なら人質がいる織田家側に就いてもおかしくない)
そうした立場の広忠は、太原雪斎から「松平を先鋒として織田家に打って出よう!」と言われてしまうわけで、広忠としては、はらわたの煮えくり返るほどの怒りを持ったかもしれませんが、それに従うしか松平家を存続させる手段を持ち合わせていなかったという事です。
こんな微妙な立場の松平広忠を演じるのが、TVドラマ・相棒シリーズでレギュラー出演する青木年男役の浅利陽介さんです。
相棒の中では「警察嫌い」で登場した変わり者で、警察官の父を持ちながら「警察なんて大っ嫌い!」という役どころを好演して、地味ながらも癖のある人物として活躍しています。
あの青木君が広忠役!
どんな広忠を演じてくれるのか、初登場の第8話での不敵な笑いが、今回一番の収穫でした。
期待大です!