『草野球必勝法』

隊員発行メールマガジン 【週刊・野球小僧の部屋】より抜粋



FILE:15: - 好捕手の条件 -



今回は捕手について。
シドニー五輪で日本代表チームの正捕手を務めたドラゴンズ鈴木捕手と
阿部捕手2人を例に挙げ、私なりの捕手像について書いてみます。


▽捕手は引き出しが全て
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良い捕手の条件は何か?
結論から先に言えば「引き出しをたくさん持っていること」に尽きると思います。

このシリーズで引用している、ベースボールマガジン社刊「ドジャースの戦法」によれば

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『捕手には、特別な身体的条件は必要でない。背が高かろうと、低かろうと、やせていようと、
 がっちりしていようと、そんなことはどうでもいい。捕手として絶対に必要な条件

 (1)敏速、正確、強力に投球できる腕
 (2)投球の真正面で動くことの出来る軽快な身のこなし
 (3)守備陣を指揮する能力

 の3つである。』

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(1)は俗に言う肩の強さと思って良いでしょう。
(2)はキャッチングのうち、アメリカで特に嫌われる後ろにそらすことを防ぐためのフットワーク。
(3)は投手のリード、守備体型の支持など監督の分身となる能力。

以上のような解釈をしてみました。

草野球の場合は
、そもそも身体的な能力を求めることには無理があるのですから、
上記の項目の中では
(3)を努力や経験によって引き上げていくしか無いと言えます。
それに対し、プロ野球では入団後、練習により(1)(2)をプロのレベルに上げる必要もありますが、
投手のリードを含めた(3)がプロのレベルに達していないと首脳陣が判断すれば
公式戦の大事な場面で起用される事は無いのです。


▽引き出しとは何?
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一言で「引き出しとは何か?」という問いに答えるとしたら、その捕手がもっている「キャパシティー」
[1]能力。受容力。うつわ。[2]容量。容積)なのですが、
IT用語で表現すると「ストレージ」([1] 【電算】記憶装置. 〈現〉 [2] 貯蔵. 保管. 倉庫. 〈現〉
も必要になります。
 
持っている「引き出しの数」「引き出しの大きさ」「引き出しの中身」と要素はいろいろです。
最終的に問われるのは中身であることは間違いありませんが。

プロの場合いろいろな投手をリードします。それを考えると「数」がなければどうしようもありません。
1軍ベンチには最低で10人の投手がいるのですから、
やはり引き出しの数も10個いることになります。

また、「大きさ」がなければ数々のデータ(或いは経験)を入れることが出来ません。
ですから、もしそうでなければ奥行きのあるリードなど望めないのです。
鈴木捕手は少なくともプロの1軍に定着しているのですから「中身の質」を問わなければ、
阿部捕手に対して大きなアドバンテージを五輪の時点で持っていた事は疑いようのない事実です。

今のプロ野球で最高の捕手といえば古田捕手でしょう。
彼は、プロ入りした時点で既に引き出しに関しての色々な要素を持っていました。
その「中身」をプロ用に変更するだけで良かったのです。
丁度、今の季節に冬物から春物にタンスの中身を入れ替えるだけで良かった。
だから早くから活躍できたと言えます。

古田捕手と比べると、阿部捕手は全ての点で足りません。
以前週刊誌が書立てている「あいつは○ホ」が、本当かどうかは分かりませんが、
今までのインタビューなどの受け答えから「抜群に頭がキレる」という印象がないことは確かです。
そもそも持ちあわせている引き出しの数や大きさは足りないように思います。
しかし、捕手は経験が全てです。今から質の良い中身を取り揃えれば問題ないでしょう。
谷繁捕手も、そうして評価されるようになったのですから。


▽草野球で大切なこと
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捕手は「扇の要」と言われます。これは守備位置から来る表現ですが、
ナインの中で、ただ一人みんなと向かい合っている事にもよります。
つまり、
常に全員の「顔色」を伺いながらプレーしているのです。
こう書くと何かいかにも日本人的な表現になってしまいますが、
草野球ではこれが一番大切な事なのです。
最初にあげた(3)の条件のように「指揮」というよりも、
楽しみとしての野球をプレーする課程で、ナイン全員の事を把握してゲームを進めていく現場監督
ゼネコンの「現場監督」と聞くと偉い人のように感じますが、
 現実は「職人さんをヨイショして、気分よく働いてもらう」「現場周辺からの騒音、
 振動に対する苦情を処理する」 などの仕事をしていたりします。
 大学出たての平でもやっています。
)が草野球の捕手です。
 
ようするに
「チーム全体に常に気配り出来る」。それが草野球の捕手に求められる一番の要素でしょう。
パソコンで言えば「チップセット」
CPUやメモリーなどの橋渡しをする、データのやり取りをするための複数のLSIをまとめたモノ。
 これの能力が低いとパソコンのパフォーマンスは発揮されない。
 パソコンのカタログには必ず「チップセット○○」と表記してあるが、一般人は誰も見ない。
 これについて詳しいのは自作する人だけ。

なのかもしれません。



(1)敏速、正確、強力に投球できる腕 という項目に関しての補足・追記
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草野球の捕手における肩の強さは、大変重要な要素でありながら、
そもそも、その要件を満たす人材がいなければどうしようもないという大きな問題点です。
軟式野球では、レベルが上がるほど点が入りにくくなり、最少得点での争いになります。
そこで、重要視されるのが足を使った攻撃です。
好投手を擁し、堅い守備を誇っても捕手の肩が弱いと、チームにとって致命的な欠点になりかねません。

プロ野球で強肩捕手といえばスワローズ古田捕手がすぐに思い浮かびますが
彼は肩の強さそのものはプロの中では、ごく平均的レベルとされています。
では、どうして彼は盗塁阻止率が高いかというと、偏に送球動作の素早さとその正確さにあります。
※古田捕手と対極にあったのが、五輪における鈴木捕手でした。
スワローズは野村監督時代に徹底してバッテリーに対し、走られない方法を教えています。
 古田捕手の力だけでなく、投手の協力もなければチームとして盗塁阻止率は上がりません。
 タイガースに移ってからもそうですが「走られるの大嫌い、走るの大好き」な監督です。
 機動力は彼にとってのキーワードですから。


どうすれば、素早く正確な送球が出来るのか?
一番大切なのはフットワークだと考えています。特に、右足ですね。
つまり軸足になる右足をどのように使うかが送球のポイントと考えます。
右足を上手に使うことが出来れば、左足の踏み込みもうまくいき、正確な送球につながると思います。
また、それにより、球足の長い低い送球ができ、たとえワンバウンドでも走者が刺せるはずです。

草野球の捕手がいきなり強肩に(地肩が強く)なれる訳ではありませんので、
せめて正確な送球を心がけ、走者に余分な塁を与えないよう注意すべきです。






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