FILE:08 - スリーフットライン - |
「その7」で、こんな事を書いています。 >ホームゲッツーを狙い、1塁に転送する場合も100%近い確率で >アウトが狙えるタイミングでなければやめた方が無難です。 >理由はルールにも関係しますので次回にします。 そのルールとは 6・05 打者は、次の場合、アウトになる。 (k)一塁に対する守備が行われているとき、本塁一塁間の後半を走るにさいして、 打者がスリーフットラインの外側(向かって右側)、 またはファウルラインの内側(向かって左側)を走って、 一塁への送球を捕らえようとする野手の動作を妨げたと審判が認めた場合。 このルールに関係しては7・09のインターフェアにも全く同じ事が書いてあります。 インターフェアがあった場合にはボールデッドになり、各走者は帰塁しなければなりませんが、 ここでは投手の投球時点で占有していた塁に戻ることになります。 本塁から一塁への送球はどうしても打者走者と重なりがちです。 無理に避けようとすれば悪送球をする可能性が高いし、 打者走者の妨害があっても草野球では審判が走者がどこを走っていたかを、 きちんと見ていてくれるのかという心配もあります。 (たまにこのルールを知らずに審判をやっている人もいますので。 守備優先のルールですが知らなければどうにもならない) もう一つの心配はライトのカバーリングです。よほどの経験者でない限り、 1死満塁の状況でピッチャーゴロ。打球が飛んだ瞬間にライト線方向へカバーへ走ってくれる 人もいないでしょうから、捕手が一塁に悪送球したらボールは転々ところがり、 打者走者の生還まで許し、一挙に3点とられる可能性まであります。 そんな事ですから、満塁ゲッツーを狙おうと、捕手が間に合いもしない一塁へ送球するのは、 草野球ではあまり感心できません。バントが高く弾み、捕手の前にころがった時も同じ事です。 ◎簡単なテクニック 送球が打者走者と重ならないようにするには、捕手は次のことに心がけましょう。 ○バント処理 送球を焦る必要はありません。 出来るだけ、一塁側のラインからは内(向かって左)へ一歩余分に踏み込んでから送球する。 ○野手からの送球を転送 本塁をまたいだ形で待ち、送球がそれないと判断したら、 左足でペースの左上を踏むような感じで左足を送りながら捕球。 右足を投手方向にややがに股気味に踏み込み、体をひねりながら左足を踏み込み一塁へ送球する。 (この方法は誰にも当てはまることではありません。ご自分で試して工夫してください。) ─────────────────────── ▽草野球以下の最低プレー、ジャイアンツ清水選手 ─────────────────────── さて、8月6日S−G20回戦でこのルールに関するプレーが出ました。 4回表Gの攻撃で無死一塁、走者仁志。打者清水が送りバントを試みるが、 打球は本塁の前に高いバウンド。古田捕手が捕って一塁へ送球したが、 打者走者清水の背中(首筋?)に当たってしまった。 ボールは転々とし、Gファンは一瞬大喜び。 しかし、結果は清水選手がラインの内側(左側)を走っていたということで守備妨害をとられアウト。 2塁へ進んでいた仁志選手は一塁へ戻され、1死一塁でプレー再開となりました。 ルール上のことは前記の通りです。 ビデオで見る限り、打者走者の清水選手は相当内側を走っており、 古田捕手がアピールするまでもなく審判も判断に迷わず即座に、 守備妨害(インターフェア)を適用しました。 私は久々に腹を抱えて笑いました。しかし、直後に長嶋監督が血相をかえてベンチを飛び出し、 抗議に向かったときには、何かすごく情けなくも感じられました。 まず、清水選手ですが打者走者はファールラインとスリーフットラインの間を走らなくては いけない事を知らなかったのでしょうか。 この事はルール上の問題だけでなく、一塁手との接触事故(注1)を防ぐためにも非常に重要な事で、 走塁の基本中の基本であり、いろはの[い]であります。(それより以前のごく初歩的問題か?) 少年野球では走塁に関して、まず最初に教えるべき事の一つです。 「ルールを守る」「事故を未然に防ぐ」これらの事を通じて楽しくプレーすることが 少年スポーツの大前提であり、チームの勝利を目指すのは2次的な目標のはずです。 G清水選手は「江戸川ポニー」「浦和学院」「東洋大」と進んだ野球に関しては「超」の付くエリートです。 これらのチームには勝利至上主義に陥るあまり、 本当に意味の指導を出来る人材がいなかったのでしょうか。 今回のひどい走塁を見る限り、偶然とは考えにくいですが、 今回はたまたまだったと思わないと私自身が非常につらいので、そう思うことにしておきます。 それから、長嶋監督ですが、彼を含めたG首脳陣はベンチから一体何を見ているのでしょうか。 プレーがあったのは一塁線上ですから3塁ベンチからは清水選手がどこを走っていたのかは 一目瞭然です。どう見てもアウトに決まっています。 まさか、ベンチの首脳陣がそろいもそろってルールを知らず、 見てもいなかったなんて事はないはずで、 あの判定に対して抗議、確認に出ていくなんて恥の上塗りです。 (ただでさえ、清水選手の走塁自体が思い切り恥ずかしいのに) この事は、日本一のオッチョコチョイである長嶋監督が、 よく見ておらず、あわてて飛び出してきただけと解釈しておきましょう。 もう一つ古田捕手ですが、もし、清水選手を狙って当てたとしたらさすがと言うほかありません。 あの場面で1塁に良い送球しても1死2塁になってしまいますが 打者走者が明らかにラインの内(左)側を走っているのなら、 送球を当てて1死1塁にした方が得に決まっていますから。 TV中継では関根、大矢両氏が解説だったが、この辺りまでつっこんで欲しいモノです。 ◆注1 1999年のドラゴンズが優勝を決めた試合で、1塁手の山崎選手が骨折してしまいました。 本塁方向にややそれた送球を捕りに行き走者と接触しました。 このプレーでは、打者走者がラインの内(左)側を走っていれば当然、 守備妨害をとられるケースですが、 この時の打者走者は、きちんとラインとラインの間を走っていました。 塁間の短いソフトボールでは事故を避けるため、 オレンジ色のWベースが採用されているのは、ご存じのことと思います。 |
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