ドラマでは昭和初期の日本が描かれますが、桜子を演じていて現代とのギャップを感じることはほとんどありません。というのも、時代を反映した衣裳(いしょう)を着たりメイクをするだけで、当時の人になることができるからです。履き慣れないはずの下駄も全く苦労なく、現場では走ったりしているんですよ(笑)。
演技に関しては、監督からニュアンスで演出を伝えてもらって、自分なりに表現することが多いですね。時には、「もうちょっと間を取って」とか、「悲しい気持を出して」というような具体的な指示を出してもらうのですが、私は桜ちゃんに関してはけっこう頑固なので(笑)、指示をいただいても「桜ちゃんだったらこの動きはしない」と感じることもあります。そういう時は、監督と話合いながらいろいろなパターンの演技を試してみて、「これだ」と思う動作やセリフを見つけます。
また、私はどの役を演じるときも、役と同化したり、共通点を見つけることがほとんどありません。桜ちゃんは桜ちゃんだし、私は私。お芝居を終えると、切り替えるという意識もなく、自然と自分に戻っているんです。だから、現場に入るときも「こういう風に演じよう」というようなプランを考えて行きません。実際に、動いてセリフを発してみて初めて、桜子として気持と体が一緒に動くようになるという感じなんです。
最初に台本をいただいた時は、まだキャストのみなさんとお会いしていなかったので、(台本を)読んでいても自分のなかでキャラクターをイメージし辛かったんです。でも、みなさんとお会いして一緒にお芝居をしている今は、それぞれのキャラクターが動き出して、どんどん先が読みたいと思うようになりました。
『純情きらり』は、連続テレビ小説では久しぶりに昭和初期を描きます。そういう意味では、年配の方がご覧になったときに「ああ懐かしいな、こういう時代もあったな」と思い出していただけるかもしれないですね。また、
若い世代の方から見ると、女性の生き方にしても現代とは全然違った世の中の様子が描かれているので「こういう時代があったんだな」と感じていただけるのではないでしょうか?
実は最近、「役を通して共演者の方とコミュニケーションをとれることは、すごく特別な時間なんだ」と気づいたんです。普段は、宮崎あおいとして接するので、役として相手の役者さんに接するのは、お芝居の最中だけですから…。そう再確認してから、お芝居をとても楽しめるようになりました。朝のドラマですから、楽しんで見ていただくことが一番大事。私自身、共演者のみなさんと和気あいあいと撮影をしていますので、温かい現場の雰囲気が伝わればと思います。