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2001.11.19 : - 誇り - |
日本シリーズ第5戦目。 “バファローズ・大塚”のピッチングを見て、ある事を思い出していた。 頼みの「いてまえ打線」がほぼ完璧に封じ込められ、 元々防御率最低の投手陣は“スワローズ打線”を抑えきれずに、 この日も敗色ムードが漂っていた。 この日の敗戦はシリーズ敗北を意味していたので、通常ではあり得ない場面 7回途中での登板であった。 「最後の意地を見せたる」そんな感じで“大塚”は、次から次へとストレートだけを投げ続けた。 2戦目で決勝3ランを喰らった“スワローズ・五十嵐”とは違うんだぞ!と言わんばかりに。 その姿にはプロの投手としての『誇り』を感じた。 もうずいぶん前の話である。 “ジャイアンツ・清原”がプロ入り1年目(当時は“ライオンズ”)高卒1年目ルーキーの ホームラン数記録などを打ち出して、オフにNHKで彼の特集を組んだ。 彼が打撃の師と仰ぐ“落合”(当時“ロッテ・オリオンズ”)が番組内で 「最初に“清原”と話した時に [パ・リーグで1人だけお前を子供扱いして来るピッチャーがいる。“ブレーブス”の“山田”さんだ] と言った事があって [たぶんお前にゃシンカーは投げないだろう]って言ってやったんだ。」 とコメントしていた。 その件を“山田”本人にスタッフが取材した。 “ブレーブス”のエースとは言え“山田”は既に引退間近だった。 さらに彼は性格的にも『球界を代表する紳士』と言われていた。 私は事の真意はともかく、TV的に 「いや、この世界は実力の世界ですから。年齢とか関係無く、 特に彼は素晴らしいバッターですから全力でかからないとやられちゃいますよ」 と謙遜重視のコメントしか出ないと思っていた。 ところが“山田”は当たり前の様に笑ってこう答えた。 「そんなモン投げませんよ。 あれ(シンカー)は相手チームのクリーンアップを抑える為のボールであって (数ヶ月前まで)高校生(だった選手)に投げるボールじゃありませんから・・・。」 私はぶっ飛んだ。 そこには『薄っぺらなプライド』や『ハッタリ』は微塵も無く、 創意工夫・努力・技術・能力・結果実績などに裏打ちされた『誇り』があった。 そして実際に“清原”は中盤までは「シンカーを投げない“山田”のボール」を打てずにいた。 多少でも“山田”を打ち始めシンカーを投げて貰える様になった頃には “ライオンズ打線”の中軸を打っていた。 よく「プライドが邪魔して・・・」とか言われ 『プライド・誇り』は悪者にされる事があるが、勘違いしてはいけない。 ろくに努力もしないで『薄っぺらなプライド』を持つ事に問題がある。 性別だけで「男としてのプライドが」とか、 年齢だけで「上に立つ者として・・・」などと言うから悪者にされる。 男としての努力。年長者としての生き様に『誇り』を持てる事が大切なのだ。 そして苦労して手に入れた『プライド』を捨ててまで努力したからこそ、人は大きく成長できる。 と私は信じている。 “イチロー”がメジャーリーグで『新人王』を獲得した。 “野茂”“佐々木”に次いで日本人として3人目の受賞である。 前の2人の時も言われていたが 「日本とは言え、プロ野球選手として実績のある人は対象外とすべきでは?」 の声が今年もあがっていたが、全く問題になる様子の無いままの受賞だった。 このあたりに“MLBならびにアメリカ人”の高い『誇り』を感じる。 最近日本のプロ野球選手は「イイ子ちゃん」なコメントの選手が多く、 本当の意味での『誇り』を感じる選手が少なすぎる。 “ジャイアンツ・松井”や“バファローズ・中村”あたりが 「1軍に上がったばかりのピッチャーの資料なんか見ません。 実際に打席でボールを見て対応出来ますから。 それが出来なきゃ4番を打つ資格なんてありません」 くらいの事を言ってくれないかなぁ・・・。 実際にそれで打てなきゃダメだけど・・・。 |
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