|
1999.10.10 : - 勝利の女神 - |
パ・リーグ “ダイエー・ホークス” に続きセ・リーグ “中日ドラゴンズ”の優勝が決まった。 両チームとも決して弱いチームでは無かったが、 10年以上『優勝』していない訳だから、初優勝の様なモノである。 その感激もひとしおであろう。関係者ならびにファンの方々には心から「おめでとう」と言いたい。 また、優勝を逃したチーム、特に2位に甘んじたチームのファンの方々には 「“西武”には松坂で、“巨人”にはメイク・ミラクルで、ワクワクさせて貰った」事に感謝して、 来シーズンを期待して頂きたい。両チームとも「優勝候補の筆頭」である事に変わりは無い。 前回書いた―監督・長嶋茂雄―で 「100試合過ぎてから「さぁ!本気を出して、優勝するぞ!」と巨人軍はガンバった。 多くの巨人ファンは本気で『メイク・ミラクル』を信じた。」と、書いた。 結果論で言うと、「そんな傲慢なレース展開を“勝利の女神”は許さなかったんだ・・・・・」 と感じている。 勝負の世界では、実力が伯仲すればするほど、またゲーム性が高ければ高いほど、 その勝敗の行方を 『運』もしくは『流れ』が左右する事が多くなる。 それら『非科学的なモノ』を戦う男たちは“勝利の女神”と呼び、畏怖してきた。 その『非科学的側面』から野球を見ていると、“勝利の女神”は「すごく人間的」だと言う事が判る。 昔から言われている通り確かに彼女は「気まぐれ」ではある。 彼女に気に入られる事が「勝利への近道」なのである。 では、どうすれば気に入られるのだろう? 彼女は基本的に「つまらないミス」や「やる気の無さ」が大ッキライで、 逆に「必死のプレー」は大好きのようだ。 例えば、『つまらないエラー(意味の無いフォアボールを含む)』は、かなりの確率で失点に結び付き、 攻撃においても、『つまらないミス(ピッチャーが送りバント失敗・ランナーが牽制で刺される、など)』や 『知恵と勇気を持たない凡打』などでチャンスを逸すると、次の守りではピンチになる事は多々ある。 ピッチャーのミスはあからさまにピッチャーに返ってくる場面は驚くほど多い。 ただし多くの場合彼女が与えるのは『ピンチ』迄である。そこをどう乗り切るかで彼女のご機嫌が変わる。 例えば、「ポテンヒット・送りバント・エラー」でワンアウト1・3塁のピンチの場合を想像して欲しい。 多くのピッチャーは耐え切れずに失点を許し、 彼女は相手チームのベンチに座り、試合が決してしまう場合が多い。 ありきたりの方法でなんとか凌いで、とりあえずイーブン。次に何かが起こるまで試合は淡々と進む。 少なくともここを乗り切らないと、試合が決まりかねない。 私的に言えば、このピンチは【ペナルティー】の意味と【能力を試されている】意味がある。 ここでポジティブに後者の場合を想定し、強引に彼女をこちら側に引き寄せるピッチャーがいる。 巨人の上原である。彼は、この様なピンチの時に惚れ惚れするボールで2者を連続三振に討ち取る。 これで“勝利の女神”はイチコロである。 逆に、彼女を自分に惚れさせてしまう事で『流れ』を掴み、新人としては19年ぶりの20勝を勝ち取ってしまった。 ボールの威力・迫力は、“江夏”“江川”“松坂”の方が上である。 しかし『勝てる投手』となると“上原”と言わざるをえないだろう。 やたら長い「前振り」で申し訳ないが、ここからが本題である。 日本シリーズのような『短期決戦』では、1勝の重みが違う。 余程両チームに力の差が無い限り、その試合の『流れ』を掴み、シリーズの『流れ』を掴んだチームが 【日本一】の名誉を獲得する事になる。 “ダイエー・ホークス”も“中日ドラゴンズ”も 「投手陣が我慢の投球を積み重ねる事で“勝利の女神”のご機嫌を伺う」チームである。 その他の戦力をどう比較しても、開戦前に“勝利の女神”が優劣を付ける事はないだろう。 せっかくだから、誰のどんなプレーが『流れ』を掴むのか、 どの瞬間に“勝利の女神”が誰に惚れたのかを見て頂きたい。 個人的には“中日・関川”の「ヘッドスライディング」は、彼女の好みであると思っているが・・・ 仮に、“中日”が“勝利の女神”と仲好しになったとしても、 今年の“ダイエーのベンチ”には“勝負の神様”がいる可能性がある。 彼がベンチにいると“勝利の女神”は太刀打ちできない。 昭和60年の“阪神タイガース”のベンチには“勝負の神様”がいたらしい。 今年の“ダイエー”はどうなんだろう? いずれにしろ、今年は球場が全試合ドームである。 間違い無く10月23日(土曜日)からシリーズは始まる。 |
| 目 次 |