『草野球必勝法』

隊員発行メールマガジン 【週刊・野球小僧の部屋】より抜粋



FILE:171  - 続・走塁だけはプロ並みに -


走塁について書いていましたが、今回もその続きです。
今回は、新庄選手が犯したチョンボについて書いてみましょう。

17日のロッキーズ戦で3塁前にボテボテのゴロを放った新庄選手は、1塁へ全力疾走。
送球が逸れてセーフになったまでは良かったのですが、ベースを駆け抜けた後がまずく、
1塁へ戻ってくるところをタッチアウトになりました。
アウトになった理由は以下のルールによるものです。


【7・08】次の場合、走者はアウトになる。

(j)走者が1塁をオーバーランまたはオーバースライドした後、ただちに1塁に帰塁しなかった場合。
  1塁をオーバーランまたはオーバースライドした走者が2塁へ進もうとする行為を示せば、
  触球されればアウトになる。


プレーのVTRを見た限りでは、新庄選手は1塁を駆け抜けた後、送球が逸れたのを見て
ほんの一瞬2塁方向へ重心をかけ1歩(半歩?)踏み出したように見えました。
すぐにバックアップが入ったので2塁へは行けないと判断し(ここまで、ほんの一瞬)
すぐに1塁へ戻ってきたのですがベースに着く直前にタッチされアウトになったのです。

さて、このルールについては誤解している方も多いようです。それは、

“1塁を駆け抜ける際にはラインの外(ファールグラウンド)に出なければならない。
もし内側(フェアグラウンド)に入っているとアウトになる”

という事です。しかし、これは上記ルールについての勘違いで、
たとえフェアグラウンドをスタスタ歩いてベースに戻ってきても、
それだけでは(たとえタッチされても)アウトにはなりませんし、
また、たとえファールグラウンドにいても、一歩でも2塁へ向かう素振りを見せた後、
タッチされればアウトになります。

つまり、一塁を駆け抜けた後、ベースに戻る際に体(足)が
ラインの内側だろうが外側だろうが、それが直接アウト、セーフに関係するわけではありません。
ラインの外側=セーフ、ラインの内側=アウトではないということです。
とは言っても一般的には駆け抜ける方向はファールグラウンド側でなければならないし、
戻る時もファールグラウンド側にいた方が“私は2塁へ向かうつもりは毛頭ありません”
という意思表示は示しやすく、審判から誤解されることもないはずです。

こういう勘違いは少年期に間違った指導がされてしまったことが原因でしょう。
つまり、きちんとルールを解説した上で“ヘンに誤解をされず、
安全に1塁に戻るためにはラインの外側から帰塁しなさい”と教えるべきなのです
が肝心のルールを知らないと、どうしようもないのです。
この辺のことが、常に私が主張している“日本野球協会”を設立し、
指導者並び審判員にライセンス制度を導入しようという考え方の基礎になっています。

24日朝放送のサンデーモーニング“渇”でお馴染みの御大二人も
ルールを全く知らないことがバレてしまいましたね。
“新庄はこんなルールも知らねえのか”なんてやっていましたが、
あなた達2人もルール知らないじゃないか。あんた達こそ
“か〜〜〜〜〜っつ!”





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