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有森源一郎役
三浦友和さんインタビュー
ジャズと鉱物集めを趣味とし、当時としては自由な発想の持ち主だった源一郎。桜子にとっても良き理解者でしたが、先週、思わぬ事故によって急逝してしまいました。ヒロイン・桜子に強い影響を与えた父・有森源一郎役の三浦友和さんにお話を聞きました。
源一郎とは共通する部分がたくさんあります

源一郎は、明治生まれの人にしては、偏屈さや武士道を引きずっている頑さがなく、とても自由に生きていると思います。もともと学者肌で、ジャズを聞いていたり、鉱物を集めるのが好きだったり、趣味も当時としては珍しかった。きっと、昔でいうお父さんや夫というイメージからはかけ離れているんじゃないかな。
そういう風に時代から外れた人物ではあるけれど、台本を読んでみると、源一郎は魅力的で本当にやさしいお父さんとして描かれていました。それに、描かれているほかのキャラクターがそれぞれ個性豊かで、脚本自体がとてもあたたかくてすてきでした。ですから、脚本家さん、演出家さんたちが求めている源一郎像がすぐに伝わってきて、僕自身、素直にそのまま役に入っていけばいいのかなと思いましたね。

普段から僕は、自分と重なりある部分がないと演技ができないと思っているのですが、今回は重なる部分が多くありました。現実には、自分には娘はいないので、娘に対する愛情はもしかすると理解できていないかもしれませんが、子供に対する愛情や思いは自分の中にもありますし、大いに理解できる部分でもあります。もう亡くなっていますが、妻のマサに対する愛情も、家族への愛情という意味で同じです。だから、源一郎役にはすんなり入っていけました。

 
桜子の姿は自分自身の生き方に重なるんですよ

源一郎は、ほかの子どもたちに比べて桜子に多少肩入れしているかなと思いますね。それは、先立たれた妻に対する思いと桜子に対する思いが重なっているからかもしれないと思います。それに、桜子は女の子のなかで一番下なので、末っ子はかわいいという意味でも(本当は、末っ子は勇太郎ですが…)これくらいの肩入れだったら、世間的にも許されるかなという気がしますね。

源一郎にとって、桜子は自分に一番近い感性を持った娘でもあると思います。というのも、長女の笛子は進学して教員をしていますが、時代が時代ということもあり“良妻賢母”という考え方に少しずつ染まっていってしまうんですよね。そして、次女の杏子(ももこ)は引っ込み思案で世間とはうまく折り合いをつけることができない。そんななかで、三女の桜子だけが自分の夢を追いかけて、やりたいことだけに向かっていきます。源一郎は「やりたいことをやって生きていくことはとても幸せなことなんだ」という考え方を基本に持っているので、桜子の生き方は自分の生き方にも共通するんです。ですから、桜子の夢を何とかかなえてあげたいという気持になるんですよね。

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