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有森 磯役
室井滋さんインタビュー
東京で洋裁店をしていた頃、鮎川との間に授かった息子・和之を手放したという過去を背負っていた磯。そんな磯が離れて暮らしていた息子と15年ぶりに再会。これまで胸に秘めていた真実を桜子たちに語ります。親子の名乗りを挙げることのできない磯の心境などを演じる室井滋さんに聞きました。
磯は親戚にひとりは居るような一風変わった叔母さん

兄・源一郎が早くに亡くなったので、最初は親代わりのような存在になるのかなとも思っていたんですが、親代わりはむしろ笛ちゃんの方で、磯はあまり頼りにならない風変わりな叔母さんのままでした(笑)。ただ、一応は大人ですから、なんとなく引いたところから姉弟を見守っているっていう感じで、「ここは叔母さんが言うしかない」という時には一肌脱ぐという役回りですね。
そもそも磯がなんで帰ってきたかというのは、最初に泣いているシーンがあったくらいで、これまで謎のままでした。おそらく、笛ちゃんをはじめ、みんなが子どもだったから、お兄さん(源一郎)以外は「お前どうしたんだ」と聞かなかったんじゃないかな。本当は、そこにもう一人大人がいたら「なんで帰ってきたんだ」と追求されると思うんですが、うまい具合にこれまで誰にも傷に触られることなく来られたんです。
磯は、当時の岡崎では一風変わった人物。「あの叔母ちゃん、昔はこうだったんだって」と聞いて、驚くような秘密のある人って誰の親戚にも一人は居るじゃないですか。そういう人だと思います(笑)。はじけているところがありつつも、芯に秘めている部分があったり、強そうにしているけれど悲しいところがあったりして、演じているうちにその微妙なバランスみたいなものが分かってきた感じです。

磯の気持は理解できます

磯は、東京に居るときに鮎川さんにお世話になっていて、そのうちに和之が生まれました。ただ、鮎川さんと本妻さんとの間に子どもが居なかったので、手放すことになってしまった。当時は今よりも男性が強い時代でしたから、磯も従ったのかもしれません。ただ、キャラがキャラなので、お世話になっていたとは言えども鮎川さんにかしずいて何でも言うことを聞くという訳じゃないんですよね。磯のような立場の人でも、色々な人がいるとは思いますが、磯は自分で洋裁店をしていたこともあり、鮎川さんに頼りっきりではなかった。別れるときにも「お金はいらない」とキッパリ言ったみたいですから。だから、本当は桜ちゃんの学費を工面したときもお金をもらいたくはなかったんだと思います。でも、そこは叔母さんの愛情。それに、離れてはいても鮎川さんは自分の亭主のような存在ですから、言い易かったんじゃないかな。
そんな磯は鮎川さんと「和之には二度と会わない」という約束をしている訳ですが、やっぱり母親として、息子に会いたいという思いは抑えられなかったのでしょう。私は両親が離婚していて、20歳になるまで母親と会わずに暮らしていました。大学近くの早稲田のアパートで母と再会し、それからはちょくちょく会うようになったんです。だから、立場は逆ですが久しぶりに息子と再会する磯の感覚は、理解できます。別にそういうことを思って演じている訳ではありませんが、やっぱり思い出さないと言えば嘘になりますね。

 
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