「マイ・ホームページ」の活用のすすめ

松井吉三

T,はじめに

筆者は税、財政学、経済学関連のホームページ「Tama Homepage」を開設している。URLは、http://www.sinfonia.or.jp/~matsui/welcome.html。ちなみに、「Tama」は長女作の4コマ漫画のメイン・キャラクターである。

筆者を含めて、一般の中小・零細企業のホームページへのアクセスは低調だと思われる。筆者は、情報発信、意見、主張開陳のツールとしてホームページを活用することにより、ビジネスをはじめ、種々の方向に道が開かれるものと考える。その面で、数少ない経験から、玄人衆から「受ける」ホームページの作成方法について考えることにしたい。

U,マイ・ホームページの作成のポイント

まず見て頂かなければ話にならない。検索エンジンの上位への登録を得たり、他のホームページにリンクを張ってもらうためにも、タイトル、内容を有益又はオリジナル又は全く無益なものにする必要がある。学術関係又は一応真面目っぽい話は「YAHOO」等の登録型検索エンジンに拾ってもらい易い。経験上、企業、商売の話は登録型検索エンジンに実にひっかかりにくい。学術関係らしいタイトルと内容にすれば載りやすいことは確かである。内容の良し悪しなどは評価しづらいものである。

そのほか企業のページについていえば、「地域密着」がキーワードである。中小・零細企業が生き残るには大企業にできないきめ細かいサービスが頼りなのであるから、地元の皆様にアクセスしていただける内容を充実させなくてはならない。

ホームページの体裁については、よりシンプル且つテキスト重視を心がけるのが良いと思われる。画像やFlashバリバリで凝ったページも、相手が「縄文時代」のパソコン環境であることを想定して、開くのに時間がかからないような体裁にまとめるべきである。

更に重要なことは、更新をしっかりすることである。ホームページを見てくれるのはリピーターが多い。一回見て変わっていないと、がっかりして閲覧頻度がめっきり落ちる。このことはアクセス・カウンターの毎日の数値の伸びを観察することでハッキリする。少しでよいので毎日の更新を心がけたいものである。良いホームページをつくるためには、アクセス・カウンターの設置とアクセス・ログの解析は必須である。

ホームページの制作により、売上が増加するほど商売の世界は甘くない。ホームページに過大な期待を抱いてはいけない。しかし、カタログ、名刺の代用、企業のイメージ・アップでホームページをつくることも、これからは求められる。その場合でも、費用対効果を第一に考え、内容重視で、お金をかけずに手作り感覚で徐々にファイルを増やしていくのが良いと思われる。ホームページづくりに、企業の誠実、努力、やる気が垣間見られ、非常に好感が持てる。努力の姿勢自体が既に本業に結びついていることであろう。

そこでホームページの法則。「マニアックなスタイルを貫徹すれば道は開かれる」。昼仕事して夜寝るというような普通人のスタイルでは、なお道は険しいであろう。

V、「Tama Homepage

上記の点を踏まえて、「Tama Homepage」では、若干の工夫を凝らしている。面白いホームページにするために、タイトルにねこキャラTamaを採用したこと。情報発信と割り切ること。自分が税理士であることは隠すこと。毎週の更新をこころがけることである。その結果、アクセス累計は、39,000になった。プロバイダーのサーバーへアップしているファイルの数は徐々に増え、現在、約500にのぼる。容量は約50メガバイトになった。「Tama Homepage」の構成は下記の通りである。

1,「SOHOのためのExcelによる事業支援プログラム」。所得税、相続税、消費税、法人税、在職老齢年金、賃金台帳。借入金返済等のプログラム約80本を掲載。ダウンロードすることにより、種々の計算をシミュレートすることができる。他の同種のサイトがいろいろ顧客の囲い込みの手段としているのに比べ、当サイトは全て無料である。普段の仕事の中で直面した問題の解決手段として表計算ソフトを利用しており、調書のフォームをそのままアップしたまでのものである。ただ表計算のファイルにウィルスが仕組まれているのではと、ダウンロードをためらう向きもあるようである。筆者はハッキングの本を何冊か購入しているが、実力的に対応できず、また、根性もそこまで曲がっていない。

2,「Political EconomyIncome istribution」。自作の論文の概要または資料等をHTMLPDF等のファイルでアップしている。一部英訳したものもあり、少ないながらも、外国からの問い合わせもある。私自身、租税、社会保障制度の分配面での実証分析を研究テーマとしている。アクセスが多いページは、http://www.sinfonia.or.jp/~matsui/g.htmである。

3,「新着図書、処分図書」。筆者の事務所には、洋書を中心に経済学、財政学の書籍が多数ある。例えばシュンペーター、マルクス、ペックマン、バステーブル、アダムス等である。寄贈を受けた著名図書も含むので、世間の皆様の役に立つようにホームページにタイトル等を掲載している。見なくなった書籍は、「古書のページ」にタイトルを掲げ、希望者に譲っている。

4,「新曲コーナー」。家族又は私自身が作詞・作曲した曲などをHTML又はMP3のファイルで提供している。「みかげの里−全国版−」(松井清作詞、松井隆史作曲)、「岩津チョイチョイ小唄」(後掲の譜面参照)などの詞と曲が収録されている。筆者はこの20年ほど岩津に住んでいるが、たまたま岩津の唄づくりの機会に恵まれた。苦心して作ったのだが、自分では結構気に入って、普段から鼻歌感覚でつい口に出てしまうほどである。

5,「家族のページ」等。Tamaが主役の4コママンガ等を画像ファイルで載せている。堅いページばかりでは見る人が退屈すると思ったからである。しかし、家族にはすこぶる評判が悪い。家族の制作のものについては、プライバシーの配慮があるので、載せない方が良いと思われる。筆者も家族からファイルの削除を申し入れられて、一部削除している。今あるページも風前の灯火である。

アップして12週間程度で「YAHOO」で検索できたファイルもある。検索エンジンの上位に登録されると、アクセスの回数も増える。内容が堅い割に毎日のアクセスは20から50あるので、この種のものにしては、結構成績は良い方であろう。アクセス・ログの解析により、相手のホスト、ブラウザ、アクセスしたファイル、IPアドレスなどがわかる。更にIPアドレスを調べると、全国各地の大学、企業のコンピューターの端末からのアクセスが多いことが判明した。それ以上調べることは、ウィルスを送りそうになるのでしない。こんなホームページを昼間見るのは、おそらく仕事を怠けているのであろう。案の定、土・日のアクセスはめっきり落ちる。

総括。昼寝て夜仕事したりして苦労してホームページづくりをしたが、税理士であることを明かさなかった事情もあり、こと商売上に限れば、全く無益で、無駄な努力の日々であった。しかし情報発信の面では、周知されつつあるように思われる。

W,おわりに −日々手作り感覚の「マイ・ホームページ」を−

インターネットに接続されていないパソコンはパソコンではないという時代になった。インターネット上では、くだらない情報がますます氾濫することであろう。これからは、真実を見分ける目が大切になる。体系化された知識を積み上げていかなければならない。頑張らない人も生活が成り立つように、官僚支配、二世政治家の跋扈する世の中を民主主義社会に変えていかなければならない。こう考えると、ホームページも捨てたものではない。広く自分の意見、情報の発信基地として、大いに活用の余地がある。ビジネスも例外ではない。優れたもの・サービスを地域のお客様に提供するという信念を「マイ・ホームページ」づくりに活かすことである。まだホームページを開設していない皆様も、この際是非「マイ・ホームページ」づくりに挑戦していただきたいものである。

X,付録 

 貴重なページを私物化して恐縮ですが、せっかくの機会なので、宣伝のため、筆者のホームページ掲載の「岩津チョイチョイ小唄」の楽譜を転載します。素人の作なので、我慢して一覧のほどお願いいたします。なお、楽譜の作成にあたっては、山本高子さんから貴重な助言を頂いた。ここにあらためて感謝する次第である。

 

 

岩津チョイチョイ小唄最終譜面

 

以上、岡崎信用金庫『調査月報』16年5月号所収より抜粋。