コラム 『“隊長”の精神(病)野球』

隊員発行メールマガジン 【週刊・野球小僧の部屋】より抜粋




2002.03.04 : - パ・リーグの逆襲 -



*未来予想図3 パ・リーグの逆襲

注:これは、野球界の未来を予想したフィクションです。

2002年11月15日。東京読売巨人軍は“松井秀樹”外野手と
大阪近鉄バファローズ・“タフィ・ローズ”外野手との1対1のトレードを発表した。
翌日には西武ライオンズが“松井稼頭夫”内野手と
千葉ロッテマリーンズ“小坂”内野手らとの3対1のトレードを発表した。
週明けには、西武“西口”が日ハムへ。ダイエー“城島”がオリックスへと
1対5くらいのトレード話が出ると噂されている。
予想された事とは言え、電光石火のトレードにファンは一同に水面下での取引が、
かなり前から行われていた事を察していた。


その前日、日本野球機構はプロ野球の抜本的改革案を発表した。
セ・リーグ6球団に西武ライオンズと福岡ダイエーホークスを合わせた8球団の1リーグ制とし、
リーグ制覇をしたチームが、韓国・台湾リーグの優勝チームと
三つ巴で『アジア?1選手権』を開催するといった内容であった。

先々は“アジア?1チーム”と“アメリカ・メジャー・リーグ?1チーム”とで
文字通り『ワールド・シリーズ』を開催する予定(希望?)でいるらしい。

実現すれば、ペナントレースはドーム球場を基本にして3月中旬に開幕。
9月中旬には全日程を終え、9月末〜10月上旬にアジア選手権、
10月中旬にメジャーのプレーオフに参加と言った日程になる。


しかし今回の目玉は別にあった。
残された4球団で、昨年身売りの話があった“モントリオール・エキスポズ”
を買収してしまったのだ。

元々パ・リーグ6球団は財政的に運営が困難であった。
特にこの4球団では黒字の球団は1つも無く、
球団の赤字がギリギリ広告宣伝費として納得出来るレベルでしか無かった。
しかもバブル以降は「身売りしたくても買い手が無い」状態だった為
『逆転の切り札』としてこの案を画策していたらしい。

つまり「巨人軍を中心とした1リーグに入れなくて・・・」では無く
「パ・リーグ6球団でアメリカ・メジャーリーグに参戦」で進んでいた話から
“ホークス”と“ライオンズ”が日本リーグに参加する事にした。と言う順序であった。


日本野球機構にとって問題だったのは、長年言われていた
『パ・リーグ存続問題』より『日本人選手のアメリカ流出』であった。
サッカーの様にワールドカップがあり、
その為の海外留学(修行?)といった大義名分でもあれば良いのだが、
そんなモノは全く無くアメリカに「取られた」イメージが強すぎる。
それを防ぐ為には、もはや日本を本拠地にするチームを作る以外になかった。


正式発表は12月1日だが、既に日米合意事項で次の内容は決定されていた。

買収による地域感情と莫大な移動経費を鑑み、
とりあえずホームグランドは移転しないが、
当面40試合程を日本でのホームグランドで開催し、2010年には完全に日本を本拠地にする。

日本でのホームグランドは“グリーンスタジアム神戸”。
MLBから「新規参入チームのホームグランドは天然芝を」と義務づけられたのが理由だった。
(この条件がネックで主催を取りたかった2チームが日本のリーグに残った)
ただし営業面から“大阪ドーム”をサブ使用できる条件も認めさせていた。

基本的には4社が株主として新球団の運営にあたるが、
持ち株の配分は“オリックス”“近鉄”が30%づつ。残りの2球団が20%づつとなった。
いずれ各球団が自己裁定で売却するものと思われている。
チーム名は“神戸・エキスポズ”でスタートするが、愛称は後日一般公募する予定らしい。


当面は『日本のドリームチーム』がMLBでどこまで出来るのか?
がテーマと言う事もあり、「日本人のみの純血チーム」で構成される。
現“エクスポズ”の選手は全員他チームへ金銭トレードと言う形で放出。
(“イチロー”“石井”“野茂”らとのトレードは保有球団が応じなかった)
当然、足下を見られ格安なトレードとなったが、
この金銭トレードが“エクスポズ”買収を夢物語から現実にさせたのであった。


突如MLBに参加した、日本のドリームチーム“神戸・エキスポズ”の選手構成は、
まず4球団でのベストメンバー。さらにトレードで日本残留8球団から
FA権を保有もしくは獲得間近でメジャー志向が強い選手をトレードで獲得して、
とりあえず現段階でのドリームチームで臨む事になった。

予想されるレギュラーメンバーは下記の通り
キャッチャー:“城島”・ファースト:“小笠原”・セカンド:“金子”
サード:“中村”・ショート:“松井(稼)”・レフト:“礒部”
センター:“松井(秀)”・ライト:“谷”

投手陣は、先発ローテーションが “西口”・“前川”・“小野”“金田”
“岩本”・“下柳”。さらにアメリカ留学経験のある“工藤”“山本(昌)”
をコーチ兼任でトレード交渉中。
中継ぎ・抑えで “大塚”・“小林(雅)”・“戸叶”・“大久保”
さらに“川尻”・“潮崎”のトレード交渉中。

現段階でプレーヤーはこんな所が有力である。

そして監督は大方の予想通り“長嶋茂雄”氏が就任。
その大穴(?)を埋めるべくヘッドコーチには“仰木 彬”氏を招いた。
その他のスタッフは
“権藤”ピッチングコーチ・“大島”バッティングC・“梨田”バッテリーC・
“石毛”内野守備C・“山森”外野守備C・“福本”走塁C・“山本功児”作戦C。

日本野球機構は「このメンバーなら、1年目から優勝を狙える」と豪語しているが、
現実的に初めは『通用する選手・しない選手』のふるい分けのシーズンとなり、
3年くらいかけてバランス良く補充を考えている様である。

ファンの期待が大きいのはモチロンだが、
MLBに憧れていた選手に大きな影響を与えた。
やはり日本に居ながらメジャーりーガーになれるのは大きい。
少なくとも「日本人選手のMLB流出」は完全に防ぐ事が出来た。


これで、巨人軍を中心としその恩恵で食っていける時代は終わった。
いまさらどんなアイデアを出しても“日本プロ野球リーグ”では
“アメリカMLB”に勝ち目は無い。
それは選手の技量が違うからでは無く『お客を楽しませる歴史』が違うからである。

その人気の差は、まるで“日本のテーマパーク”と“東京ディズニーリゾート”の
格差に似ていた。いや、本当はそれ以上の差があった。
その根本的違いに日本プロ野球チームのオーナー達が気付く事は無いだろう。

そう、自分の人生を精一杯『楽しむ』事の出来ない人種では、
本当の意味で『お客を楽しませる』事は不可能である。
何故なら、彼らにはその部分の想像力が完全に欠落しており、
彼らの言う所のファンサービスは「うわべ」だけで
「即効性」のある『アイデア』しか思い付かないからだ。

1年でも早くオーナーの世代交代が進み、この機会に新・オーナーが
本当の意味で『お客を楽しませる』事を学び、
『真のファンサービス』を理解実現させて欲しいモノである。


セ・リーグの逆襲はそこから始まる。        




目 次

             HOME TOPICS