コラム 『“隊長”の精神(病)野球』

隊員発行メールマガジン 【週刊・野球小僧の部屋】より抜粋




2001.09.16 : - 高野連・分裂 -



今回の内容は2年前に隊長さんから当メルマガの一読者として
投稿していただいたものの続編になります。
前回の投書の内容を振り返ってから本文をお読み下さい。
高校野球の未来を予想したフィクションです。

(これより前回の投書)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

☆新・高野連(これはマジ?)

もうそろそろ、普通の高校野球(ただの部活)と
野球特待高校との大会を分けてあげたらどうでしょう?

元々の高野連はごく普通のレベルの部活をまとめます。
そこではアマチュア精神を押し付けてもOK。当然『学業優先』
「平日の練習は2時間まで」とか「中学生選手のスカウト禁止」などの
当たり前のルールのもと、県大会優勝校は高校総体に出場する。(今やってますよネ)

逆に新・高野連は今大会には出ていないP高や今大会にも出て来たM高のように
宣伝活動(甲子園に出る事)やプロを目指す事が学業より優先される高校を対象とします。
当然、新・高野連の全国大会は「甲子園」で全国生中継。
試合数も減るので、選手(特にピッチャー)は大助かり。

ってアイデアは如何でしょう?
う〜ん。自分としてはイケテると思うんだけど・・・(^_^;)


(これより今回のコラム)−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

―未来予想図 2(高野連分裂)―

西暦20××年。かねてより噂のあった「高野連の分裂」が現実のモノとなった。
これにより『野球部を広告塔』と考える学校とそうでない学校が
新・旧別々の高校野球連盟に所属し、別々の大会に出場する形になった。

この事により7割の高校野球部は『普通の部活』に戻り、全国大会=国体という図式となり、
野球部だけが特別扱いを受けたり他の部活より多くの予算を奪う事が無くなった。

『野球部を広告塔』と考える学校と、
その年たまたま戦力が整ったチームをオープン参加として加えても
「甲子園予選」は従来の3割程で行われる。
優勝する為に勝たねばならない試合数は1〜2試合程度減るだけだが、
日程にかなりの余裕が出来て3連戦が無くなり“ダイヤの原石”を潰したくないと
望むプロ野球側や、選手の親などにも大歓迎された。

ちなみに前年まで100校を越える大激戦区のA県を例に取ると
『甲子園』を目指す“新・高野連”に永久加盟を宣言した高校が24校。
オープン参加校は初年度こそ20校を越えたが、3年目には10校足らずとなり
常時30校程度で『甲子園』へのキップを争っていった。


“新・高野連”主催の『甲子園』予選は、エントリー料を払えば基本的に自由参加であるが
“旧・高野連”主催の『国体』予選は一応の制限がある。
【“新・高野連”に加盟していない】【その年の『甲子園』予選にエントリーしない】
【校舎が他県に隣接する「地域特殊認定校」を除き、他県に自宅がある生徒を部員としていない】
【特出した予算を計上していない】等の条件を満たし、何よりも【学業優先】である事、
つまり“修学旅行”や“試験”などを休んで部活に参加していない様な学校のみ
“旧・高野連”に加盟でき、毎年更新をする。

一見“旧・高野連”に加盟する事には、何のメリットも無いのだが
『野球部を広告塔』と考える学校にとって野球部に掛ける費用は《広告宣伝費》である。
そうなると結果が期待できない費用は削られる。
『甲子園』に出られる可能性のある学校は今後さらに大きな予算を立てて来るので、
せいぜい「良くてベスト16」くらいの高校は『普通の部活』に戻す事を選択して予算を削減し、
戦力が整った年に『甲子園』予選にエントリーする方針の学校も少なくなかった。

しかし、その様な「中途半端に強い高校」はエントリーをする事は無かった。
オープン参加するのは、進学校に力を試したくなる様な選手が突然現れた時と
相場が決まってしまった。


前年に「プロ・アマの壁」が完全に無くなった事を受け“新・高野連”に永久加盟した高校の
監督・コーチ陣の大半は“プロ野球経験者”で占められ、
プロ並のトレーニングに着いて来られた者だけがレギュラーとなり
『甲子園』を目指す資格を有する。
当然スカウト合戦も激化し巨額の現金が飛び交い、
その金は監督・コーチ陣を通じ選手獲得に太いパイプを得たプロ球団が出していた。

一般の高校野球ファンにも、いつもと同じ様に
『甲子園』の予選〜全国大会が行われるので違和感無く受け入れられたが、
この体制が10年も続かない事を誰も予想し得なかった。
いや、あえて見えないふりをしていたのかもしれない。


我々庶民が“高校球児”に求めていたモノとは全く別の世界が『甲子園』を占拠してしまった。
誰も『プロ野球の3軍の試合と化した甲子園大会』には見向きもしなくなり、
スポーツニュースですら取り上げなくなった。


それでも『普通の部活』に戻った“高校球児”による
全国大会=国体が、かつての『甲子園』の様な脚光をあびる事にはならなかった。



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