アメリカカンザイシロアリの蟻道と水への誘引

 アメリカカンザイシロアリなど乾材シロアリが蟻道を作ることはほとんど知られておらず、一部の書籍には「乾材シロアリは蟻道を作る能力がない」とさえ書かれています。
 もちろん乾材シロアリは、ヤマトシロアリなど土壌性シロアリのように地下との連絡を保つ必要がないので木材への侵入路としての蟻道を作る必要はありません。
 しかし、木材から木材への移動や生活空間の密閉化のためには、やはり集団的な「外骨格」としての蟻道や蟻土は必要なのです。

水源(水を含むスポンジ)を与えると、そこに向かって蟻道が伸びました。
乾材シロアリといえども水は必要なのです。
いえ、そもそも乾材シロアリという概念は人間のものでしかないのです。
蟻道は糞を様々に利用して作られます。
こうした行為は蟻道だけでなく、生息部の密閉や木材間の隙間の密閉にも日常的に行われています。


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