基礎断熱について
1997年当時の当社の文書

 基礎断熱に使用される発泡系断熱材がシロアリに加害されやすいものであることは、40年以上前の1966年に故森八郎氏が業界団体の機関誌に 発表しています。氏はそのなかで「好んで食害営巣」されるポリスチロールほどではないにしろポリウレタンは食害されるので「耐蟻性材料としては適当でな い」と明言しています。(しかし、残念ながらシロアリにおける食害の意味や他の材料についての考察は進まなかった)
 しかし、そうした結果が発表されていたにもかかわらず「湿気がなければシロアリ被害はない」「栄養でないものは被害を受けない」といった素人判断で基礎断熱を建築業界が推進したことは非常に無責任だといえます。
 1996年に当社は『白蟻物語』というビルダー側の推進文書を手にしましたが、書いた本人はシロアリ対策の経験がまったくなく、雑多なデータ を寄せ集めて憶測で生態を記述したものですから当然にも間違いだらけの内容となっています。そこで当社は、このような素人文書が先行普及されて基礎断熱な どの特殊構造が推進されるなら大きな問題になりかねないと思い、こうした考え方にたいする意見をまとめました。それが以下のいくつかの文書です。

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広報紙『暮らしと環境』17号で初めてとりあげる

 ここでは2ページにわたってソーラーハウスの提唱者O氏が書いた『白蟻物語』の誤りを、1ページを使って土間床の問題点を明らかにしています。
 ここでは、イエシロアリが海岸線に沿って生息しているのはよりおおくの水を必要とするからだというO氏の珍論をはじめ、強引にシロアリと水を 結び付けようとする論の誤りを正しています。また、副女王から生まれたものには生殖能力がないとか、ヤマトシロアリとイエシロアリの「蟻酸の分泌」比較の 表といった根拠のない漫画的な捏造部分へもあきれながら反駁してあります。
 この記事を書いた1997年には、すでにO氏にかかわる現場などでも床下に羽アリが出ていたという報告文書を数年前に当社は入手したのです が、その報告内容もまた素人判断だけでむりやり水と結びつけ、ビルダーやフランチャイズ側にのみ都合のよい結論となっています。
 一方、床下のない土間床の住宅もこの時期あたりから急速に増え始めました。このタイプの家でのシロアリの侵入については、この時点ではまだその情報を得ていませんでした。しかし、今日それは現実のものとなっています。
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関係する建築士・工務店に警告文書配布

 97年は基礎外断熱も増えてきた時期で、当社の付き合いのある工務店のいくつかも建材メーカー系の高気密・高断熱の取扱をはじめました。その 推進パンフレットには薬剤の注入材が使われているのと乾燥しているということだけを根拠にシロアリに強いと書かれていました。
 そこで、上記のソーラーハウスや土間床も含めて、それらの問題点をまとめて関係するすべての工務店や建築士に文書として配布しました。
 工務店の中にはこの文書をフランチャイズ本部に送付してシロアリ対策について質問したところもありましたが、何一つ返事は返ってきませんでした。
 建材メーカー系の基礎外断熱についても、新生の事物であるため当時は被害自体の確認ができていませんでしたが、今日では築7年で大きなシロアリ被害が出て裁判にまでなっているのです。また、同様のタイプのシロアリ被害も確実に拡がっています。
 この建材メーカー系の基礎断熱は、今では基礎構造が変えられています。しかし、変えるにあたって消費者に説明がされたということは聞いていません。
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月刊『住宅ジャーナル』誌上で高気密住宅について語る

 ここではこれまでの見解をまとめたうえで、「乾燥した木材がヤマトシロアリに加害されない」とか「工場での加圧注入材なら大丈夫」という根拠 のない言い伝えを正しています。そして、とくに考えるべき点として構造だけでなく、意外に見落とされている点としての温度について述べています。
 また、まだ根強く残っていたヒバ油などの「天然薬剤」の問題点や対米追従的に拡がり始めたベイトシステム神話にも言及しています。
 (1997・11月号)

その後各講演や文書で常にとりあげています。