これほどとは思わなかった!

10年で土台がボロボロ

1998年に建てられた基礎断熱の家が、わずか10年後の2008年末に解体されました。当サイトにリンクしてあるソーラーハウスの家です。この家は乾燥 した床下であることからシロアリが生息できないとフランチャイズの推進文書にうたわれた構造でしたが、実際はシロアリが住めないどころか基本構造材である 土台まで大きな被害を受けていたことが解体して初めて判明しました。
しかし、これを推進した側はその推進文書の間違いを認めていません。



上の写真は2枚とも土台部分(矢印)の被害です。
どちらも基礎断熱材とその上の「キワ根太」によって解体前にはまったく見えない被害でした。とくに左の被害部は「キワ根太」すら被害がなく、まさか土台にこれほどの被害があるとは思われませんでした。
したがって、このタイプの家(土台が集成材で目視できない基礎断熱の家)では、きわめて早い時期に致命的な被害が発生している家もあると考えられます。あるいは土台が芯もち材であってもかなりの被害があるか、これから進行するものと思われます。
通常の木造住宅がかなりの耐震性を持ってきている中で、これでは自然災害を助長するものになってしまいます。
当サイトで繰り返し説明しているように、自然と居住空間との間には必ず単純構造の緩衝地帯が必要です。床下が点検できないとか、土間の上に直接床を貼ると か、天井裏を省くとかといった構造では、たとえ建築当初に問題がなくても、長い間には必ず居住者に多大な負担をかけるような問題が生じます。
部材が見えないということはその部材のメンテナンスを放棄することを意味します。あれこれの数値やシステムがあるからそういうことは起きないというのは自 然に対する無知を表明しているようなものです。とくに家屋は様々な人間の手による総合的な生産物です。いかに先端技術でもバランスの悪い家は必ず問題が起 きてしまいます。
もしも現在基礎断熱を考えておられる方がいるなら、是非再考されることを強くお勧めします。