所得とは?年収とは?


 所得と年収の差のほとんどは「給与所得控除」があることによります。

 所得とは、通常、申告すべき所得の種類別に収入金額から必要経費を引き、それらを後で合計したものをいいます。所得の種類は、総合課税の給与、事業、不動産、雑、一時、利子、配当、譲渡所得、分離課税の事業、譲渡、雑、山林、退職があります。上記所得の種類別に所得を算定した上で各所得を合計したものが、「合計所得金額」といわれ、扶養控除の所得制限はこれが38万円以下のものとされています。

 なお、「合計所得金額」は申告すべき所得をいうのですから、源泉分離課税でよしとされている利子、配当所得はこのうちには入りません。したがって定期預金の利子や上場株の配当収入が年1億円あったところで「合計所得金額」には入らないのですから、収入源がそれだけであれば、立派に他の家族の扶養家族になれます。

 所得といっても給与所得は例外で、給与収入金額から「給与所得控除」というみなし必要経費を差し引いたものが給与所得とされています。ニカ所以上から給与をもらってする人は、すべての給与収入を合計した上で、「給与所得控除」を差し引きます。都合のよいことに、「給与所得控除後の給与所得」が給与収入金額別に算出表ではじきだせるようになっています。給与については、ほぼ一律割合(平均2−3割程度)の「給与所得控除」をハナカラ差し引いてくれるのですら、その分だけ税金は安くなるということになります。「給与所得控除」というのは、税金分でも保険分でもありません。それらの支出は自営業者でも必要経費ではないからです。ただし、1619000円未満の給与所得控除は一律で65万円に決められています。給与収入が103万円の人は65万円をみなし必要経費として引くことができるのですから、所得は38万円となり、他の家族の扶養家族になることができます。

 事業、不動産、雑所得などの所得は、原則どおり、収入金額から実際に支出した材料費、販売経費などの必要経費を差し引くのですから、事業形態により、必要経費の額は違ってきます。1億円の収入があっても1億円の必要経費がかかれば所得は0ですから、それだけが収入源だとすれば、他の家族の扶養家族に入ることができます。事業所得者にとって、経費分の支払に充てられる、右から左へ通過するだけの収入部分などなんの意味もなく、手取りの収入イコール所得といっても過言ではありません。

 ところが、サラリーマンの人は、ほとんどの経費が会社持ちなのですから、自己負担すべき必要経費などあるはずがないのです。ということは、実際に支出していない金額を必要経費として認めてもらっているわけであり、理論的にとうてい説明できるものではありません。したがって、税金面では優遇されていることになります。