帳簿のつけかたで間違いが多いと思われる事項について

 


Saturday, December 06, 1997

 さてかねてよりご承知のとおり、平成9年4月より消費税の仕入控除が格段に厳しくなっております。すべての支払いについて、課税事実を記載した「帳簿」と「請求書」の2つとも揃わなければ消費税の仕入控除を認めないという「改正」が実施されたからです。

 今回の改正は法律による改正事項ですので、税務署員の調査時に該当事項の帳簿への記入と該当請求書が両方とも見つからなければ仕入控除はすべて否認されるものと考えて下さい。

 このような悪法に対抗するには、納税者自らがの「帳簿」への最低限の必要事項の記載をして、あわせて「請求書」の保存をこころがけること以外に策がありません。決算時にすべての支出を調べ上げて、第三者が記入を補充するのは不可能です。帳簿の記載については、納税者に全責任があり、納税者自ら記帳するのが原則です。

 例えば次のようなところに問題点がでてくるものと思われます。

1、「通行料」、「駐車料」とのみ記入してあるが支払い先が記入されていない場合が考えられます。「愛知県道路公社」、「日本道路公団」等と支払い先を記入して下さい。電気料についても支払先は中部電力に決まっていますが、取り扱いが固まった法定記載事項ですので、「4月分工場電気代中部電力(株)」と記入して下さい。

2、サークルK、ファミリーマートなどはたくさんありますので必ず店名、氏名を記入して下さい。

3、仕入日と支払い日が異なる場合、支払日のほか仕入日を必ず記入して下さい。例えば「4月5日−4月9日分電気工事代金松井電気(株)」と記入することとなります。

4、仕入控除を希望するすべての支出について、金額の多寡にかかわらず内容の記述が必要です。

5、給与、保険料は非課税で、仕入控除ができませんので、従来の記帳のままで結構です。

6,主として、当座預金の出納簿の材料仕入、消耗品費とかについてですが、必ず支払いの対象となる期間と簡単な内容の記述が必要です。例えば「4月分塗装代中川塗装(株)」、「4月分墓石代松井石材」と記入して下さい。また「松井石材」と記入する場合、松井石材はたくさんあるので別に個人の氏名を明記した仕入先一覧表が必要です。

7,電話料、電気料、携帯電話料は、「請求書」の税率で3パーセントか5パーセントかを判断致し、仕入控除を行います。電話料、携帯電話、電気料の「請求書」はすべて今後保存して下さい。

8、自動販売機の仕入れについても、「納品書」「請求書」で仕入控除を行いますので、それらを破棄しないで、保存して下さい。

9、「クレジットカード」による仕入れについては、道路公団の通行券については通行券を「買った時」の納品書で控除を行います。交際費については、クレジットカードの「使用時」の支払い先の店の伝票で控除を行います。カード会社の利用明細書では控除ができません。

10、リース料については、4月をすぎても3パーセント適用分がかなりあります。したがって、経過措置適用分については、明記して下さい。この場合、リース契約時の「リース料支払予定表」を保存することとなります。

11、追記事項ですが、3パーセントと5パーセントの売上と仕入を区別するために、平成9年3月末の売掛金、買掛金の明細書を作成することが必要です。   

以上 Saturday, December 06, 1997aturday, August 30, 1997