Business Letter

電子申告・納税の開始などのお知らせ

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税務上の喫緊の報告要事項を2点お知らせいたします。

 

T 消費税の原始証憑の保存のお願い

消費税の仕入税額控除については、元帳、仕入帳等への「帳簿記載」と、「請求書等保存」の両方が要件となっております。クレジットカードで購入したものについては、原始証憑(しょうひょう)が必要です(簡易課税適用事業者、免税事業者を除きます)。クレジットカード会社の月次支払請求明細書は、請求者本人が発行したものではないため、「請求書等」にあたらず、それのみでは消費税控除の否認対象になります。つきましては、クレジットカードの支払明細書に原始証憑をホッチキス等で留めるなどして、保存して下さるようお願いいたします。

 

U 電子申告・納税の開始について

1,平成15年11月4日より、納税者の方々の利便性を高めるという目的(もちろん本当の目的は、政府方の種々の利便性です。電子申告を含めて、電子政府が進展すると、国、県、市町村の窓口業務が大幅にリストラされることになります。)で、他局に先駆けて名古屋国税局管内でインターネットによる電子申告・納税の受付が開始されます。当社は、情報通信社会の到来は将来的に必然であるとする立場から、IT化の一環として対応するということで、準備をいたします。

2,開始にあたっては、お客様の方でも、開始届けを所轄の税務署に提出していただく必要があります。その際、住民票の写し、登記簿謄本などの本人確認書類が必要です。

3,また開始届けとは別に、個人の場合は市町村長、法人の場合は法務局から電子証明書(実印の印鑑証明書の代わり)の交付を受ける必要があります。電子証明書はICカードに内蔵されて、交付されます。電子証明書には使用期限があり、法人の場合には申請手数料として、7,900円が必要です(期間1年の場合)、個人の場合は、1,000円です。

4,税務署は開始届けの審査の上、利用者識別番号(ID),パスワード、e−Taxソフトの3点セットを納税者に送付します(16年1月頃)。

5,納税者はそこで、電子証明書を上記ソフトに登録、ソフト上で申告書を作成して、最後に電子署名(署名押印の代わり)を付与して、税務署のサーバーに送信します。

税理士が代理する場合は、税理士用の専用ソフトにお客様のID等を入力して、税理士が申告書案を作成して、お客様の電子証明書、電子署名、税理士本人の電子証明書、電子署名を付与して、税理士から税務署へ送信することとなります。

6,電子証明書がICカードで交付されることから、上記ソフトへの登録にあたっては、ICカードリーダーというパソコン周辺機器(1〜5万円位?)が必要です。

7,利用できるサービスは、@所得税、法人税、消費税の申告A申請、届出。B電子納税証明書1)C全税目の納税となっています。

8,サービス開始時期は、個人所得税申告の場合、16年2月2日。法人の申告、全ての税の納税については16年3月22日です。したがって、15年分の個人確定申告時については、所得税の電子申告だけのサービスとなります。15年分の確定申告については、電子納税は一切できません。

9,ところで電子納税は、従来の振替納税とは全く異なるサービスです。利用するには、銀行との間で事前に、インターネットバンキングの契約を締結する必要があります。ただしインターネットバンキングを受け付けない金融機関もあり、また口座維持手数料の高低もあり、新規に契約する場合、金融機関の選択については注意が必要です。インターネットバンキンキングでの納税は金融機関に納税者の納付指図により振替日を指定することでなされます。したがって、振替納税のように一定の将来の日に自動的に振替えられるわけではありません。電子納税を選択すると、振替納税は無効です。

10,もちろん電子申告だけ利用して、電子納税を利用しないこともできます。電子申告自体が選択制なのですから、この年分についてはやめようということも当然できます。ただし利用しない場合は、5年でIDの使用期間が過ぎます。使用期限が過ぎると、開始届けを再度提出します。

11,インターネットに接続されているパソコンをお持ちでないお客様についても、ID等をお知らせいただくことにより、電子申告の殆どの業務を当社で行うことが可能です。もちろんパソコンがないのですからICカードリーダーも必要ありません。この点は税理士におまかせしていただけたらということです。

12,電子申告にすべて移行しなければならないというのではありません。従来の紙による申告と選択制です。収受印がないことから、金融機関との信頼関係の再構築の問題があり、電子申告への移行はすぐには進展しないと思われます。

13、しかし近い将来の給与所得控除の縮小・廃止に伴う実額必要経費の採用者増加などが確実な情勢であり、給与所得者の確定申告が増加すると見込まれ、税理士会側としてはIT化の一環として積極的に取り組むというスタンスです。ご要望がある方はよろしくお願い致します。

以上

 

 

注(1) 電子納税証明書は紙に印刷すると効果がありません。記録をFD等にダウンロードして、当FD等のメデイアそのものでお渡し下さい。したがって納税証明書の要求先が電磁媒体を受け付ける機関であるか否かを事前に確認しなければなりません。

 

 

平成15年10月4日(土)