外伝:『3枚の宝くじ』(“隊長”の結婚秘話) 
野球、特に草野球の良いところは
『全選手に
ヒーローになる為のチャンスカードが配られている』事である。

例えば、個人競技はほぼ『実力差=勝敗』であり
団体競技でもほとんどの競技は役割分担が決まっていて
ヘタクソには
ヒーローになる為のチャンスカードを与えられていない。
サッカーなどは顕著な例と言える。
野球は、9人が順番に打席に立つので「勝敗を決するような場面」に
1番うまい選手が打席に立つ確率は意外に高くない。

そんな場面で9番目にうまい選手や補欠くんが打席に立つ事も結構あり
そこで「このピッチャーは絶対に打てない!」と言う選手でも
押し出しさよならデッドボールで
“ヒーロー”になる事もあったりする。


もっと極端な例は、野球は9人揃わないと「不戦敗」になる事がある。
試合開始1分前に8人しかいない時、時間ギリギリに着いた9人目の選手は
試合が始まっても無いのに
“ヒーロー”になってしまう。

彼が試合に間に合った事実は
9回2アウトからの同点ホームランと同じ価値があるからである。




ウチのカミさんとは「お見合い結婚」だった。

彼女と2度目のデートの日、うっかり当時参加していた
“知立市の草野球チーム”の試合とWブッキングしてしまった。

PM5:00に彼女と待ち合わせ。隣の市の野球場にPM6:30集合。

野球を知らない彼女に「今日のデートは野球見物ね。(^O^)ウホホ」
と半ば無理矢理 (^^ゞ ポリポリ 野球場へ連れて行った。

会うのはまだ2度目。良いところも分からなければ悪いところもバレて無い。
心の中で
「彼女にカッコイイところを見せられますように」
と神に祈りながらハンドルを握る。

球場に着いたら監督さんに事情を話してスタメンで出してもらうよう、直訴。
グランドでササッと着替えて、いざ!出陣!
「さ〜!カッコイイとこ見せるぞ〜!!!V(^0^)」
と言ってもライトで8番(ヘタクソの代名詞?)
チャンスはあまり無いカモ・・・。(^^ゞ ポリポリ


PM7:00、プレーボールと同時に我がチームの猛攻が始まった。
初回打者1順。相手投手は“軟投派”彼のボールをウチの打撃陣は打ちまくった。

草野球を始めて10年。自分なりに
「打撃理論に裏打ちされたバッティングフォーム」が身に付いてきた。
打てないピッチャーじゃあ無い!((o(^ー^)o))ワクワク
待望の第1打席。フルスイングしたバットに弾かれたボールは・・・
2度バウンドしてピッチャーのグローブに納まった。めちゃめちゃカッコワリ〜 (>_<)

おまけに、1塁へ駆け込む時ファーストと接触して吹っ飛ばされてしまった。(>_<)
「大丈夫か?」と3塁方向から声がかかった。

スクッと立ち上がり右手を挙げて
「ハイ!ボクは大丈夫です!!」と答えた直後に間違いに気がついた。
(しまった、ウチのベンチは1塁側だ)
相手チームがファーストにかけた声に
私が返事をしてしまったのだ・・・。ヤレヤレ ┐(´ー`)┌ マイッタネ

そ〜っと自軍ベンチを見ると、
彼女は大爆笑であった…(T_T) 
でも、次がある!



2回表、相手のピッチャーが代わった。スピードがある“本格派”である。
しかしコントロールが悪かったので2回も打者1順した。

もう帰る時間が迫っている。ラストチャンスの第2打席がまわって来た。
アピールチャンスで
初めからフォアボール狙いでは情けない。
打ってカッコイイとこを見せたい!でも、こんな速い球は実力では打てない。
一か八か・・・。
3枚の宝くじを持って打席に入るようなモノである。

私は右利きだがいつも打席は左打席に立つ。
左打者には投げやすいのか、ナメラレたのか?(○`ε´○)ぶーっ
突然、ピッチャーのコントロールが良くなった。

初球からストライクが来た。とりあえず振りに行くが全然間に合わない
ベンチで見るより打席でのスピードはもっと凄かった!
「こんな凄いピッチャー打てる訳ないジャン。
この打席が
名誉挽回のラストチャンスなのに〜!!(;^_^A アセアセ・・・」

そう、この打席がラストチャンスである。この後はデート(2人で食事)だ。
このままでは非常に盛り下がるデートになってしまう。
しかし残された「宝くじ」は、あと2枚。(^_^;)

2球目もストレート。バットを出来るだけ短く持った。
無駄な動きも極力抑え、始動のタイミングを速くしてスウィングした・・・。
にもかかわらず、振り遅れた。(>_<) ファールがやっとである。ヤレヤレ ┐(´ー`)┌ マイッタネ

打席を外して考える。これ以上早く振るには・・・・・・????????
必死で考えた挙句、テイクバックをゼロにする事にした。
腕の力は使えないが、身体全体の力で何とかなるカモしれない。

とにかくバットに
当たらなければ「三振」である。
しかし
当たれば何が起こるか分からない
人のいない所に飛んで行けば「ヒット」になる。
チャンスを得られるとしたら、これしか方法は思いつかなかった。


意を決して打席に入る。
ピッチャーの投球モーションに合わせてとにかくスウィングを始めた。

最後の宝くじもストレート。
これしか無い!とスウィングすると奇跡的にタイミングが合いバットにボールが当たった。
腕の力が足りないから、バットが弾き飛ばされそうな衝撃が襲った。

                
「負けるもんか!」

ギュッと握りに力を加え、身体の回転でボールを無理矢理はね返した。



奇跡の打球は1塁手と2塁手の真ん中を通り過ぎ、外野の芝生の上で弾んだ。
やった〜!\(◎o◎)/! ヒットだ!!! w(゚o゚)w オオー!
 (*^^)/。・:*:・゚'★,。・:*:・゚'☆ Congratulations!!

おりしも芝生には前日の雨が残っており、ボールがはずんだ瞬間“水しぶき”が上がった。
カクテル光線に照らされた水滴は
映画のワンシーンのようにキラキラと輝きながらスローモーションで踊っている様に見えた
少なくとも私だけには・・・。

このシーン・この映像を、生涯忘れる事は無いだろうと思いながら1塁ベースを駆け抜けた。

次の打者の凡退でチェンジになり、1塁ベースからベンチに帰ってくる私に
彼女は言った
「あれっ!ヒット打ったの?」

(ちょっと待てィ!見とらんかったんかい!)\(`O´θ/エ〜イ キックじゃ!バキッ!!☆/(x_x)
凍りつく私に追い討ちをかける様に
「ごめ〜ん、ちょうど話しかけられてて、見てなかった〜」

(誰だ〜!こんな大事な時に話しかけてる奴は〜!!)凸(`、´メ)Fuck You!!
私は怒りを隠し
「んな、アホなぁ」と言って笑うしかなかった。ヽ(´・`)ノ フゥ・・・


その日のデートは、別の話題で盛り上がり・・・\(^_\)ソノハナシハ(/_^)/コッチニオイトイテ 
それから彼女とは1年を経たずして結婚した。(^^;)ゞイヤー
ハッピィエンドに至った大きな要因の1つとして彼女は

この試合の第1打席に1塁手とぶつかって相手チームに向かって
「ボクは大丈夫です」と手を振ってしまった
“まぬけっぷり”

        「すごく好感が持てた」と語っていた。

人生、何が幸いするか分からないモノである。ラッキー\(^^\)(/^^)/チャチャチャ


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