イエシロアリ

⇐働きシロアリ(上)と兵隊シロアリ(下)

漢字表記・家白蟻

中国名・家白蟻/乳白蟻

Coptotermes formosanus

世界でもっとも大きな被害を生み出している土木生息の土壌性シロアリで、古来からのシロアリ対策の本来的な対象。

千葉県白浜付近を北限とし、ほぼ黒潮の分布に一致する沿岸部に生息しますが、地域によっては内陸部でも生息しています。

従来の生息域から離れた内陸部での生息は「温暖化によるもの」ではなく、植栽の根土などとともに人間が運び込んだものです。

集中型の集団で、常に集団の強大化を生存戦略とするシロアリ。一集団の最大個体数は数千万にもなるといわれます。

ただ、伝統的に巣の駆除が行われてきた我が国では、多くて数百万の規模です。

特殊な場合を除いてにコロニーの分裂はほとんどなく、他集団に対しても排他的に振る舞います。

兵隊シロアリは戦闘型・格闘型で数も多く、刺激に対して前頭部額腺から防御乳液を分泌して格闘します。

羽アリはアジサイのころ(6〜7月)に出現し、おもに夕方、月光や照明器具などの光に向かって群飛します。

コロニーの個体数や活動範囲が大きくなりやすいので、複数の建物や建物の最上階でも被害が起きます。

木造民家では、短期間に小屋組まで加害することから、屋根の崩落、そして建物の倒壊へとつながります。

駆除は、巣の駆除が決定的で、巣が駆除できないと薬剤散布だけでは阻止できません。

アメリカではこのイエシロアリをタイワンシロアリformosan-termiteと呼びますが、日本でのタイワンシロアリ を意味 しません。

我が国に生息するイエシロアリの仲間は、この他にコウシュウイエシロアリ、セスジイエシロアリ(オオイエシロアリ)、フィリ ピンイエシロアリの3種です。


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