シロアリ対策の考え方


シロアリ対策は薬剤を撒きさえすればいいというのではありません。シロアリの種類に応じて、適切で無駄のない考え方が必要です。

ヤマトシロアリ対策

個別の状況に合わせて

ヤマトシロアリはほとんどの地域にいるのが当たり前で、いないほうがむしろ不健全といえる土着のシロアリです。

我が国の約8割の地域はヤマトシロアリのみの地域です。また、イエシロアリ生息域といわれる範囲でも、ヤマトシロア リのみの地域は多く存在します。

巨大化と集権性を生き残り戦略とするイエシロアリとは逆に、分散を生き残り戦略とするので、範囲を絞って現存する集 団を 薬剤等で駆除すれば、同じ場所に二度と戻ることはありません。

屋外や庭先でシロアリが見つかっても、それらのヤマトシロアリは一般的には建物に関与していないので、放置しても問 題ありません。

かりに被害が出ても建物が倒壊するような被害はほとんどないので、定期的に点検さえしていればまず問題ありません。

ただ建物が複雑な構造だと侵入が把握できず、発見したときには割合大きな被害になっていることがありますので、とく に新築 やリフォーム時にはシロアリ技術者に相談して、シロアリ対策しやすい構造を採用すべきです。

ヤマトシロアリは生息部位を放棄することが多く、歴史的な蓄積として多くの被害の痕跡があったとしても、現存する部 分は 限られています。

したがって、シロアリ対策は現状の被害の広がりではなく、現存するシロアリの状態から対策を立てるなら無駄のない対 策と なります。

つまり、マニュアルやシステムでなく、個別の調査に基づいて、各家庭・建物ごとに多様な対策を行うことが重要です。

イエシロアリ対策

巣の把握と駆除が第一

イエシロアリの仲間はいわば中央集権のシロアリですので巣の把握が何よりも優先されます。

巣の駆除をせずに被害部に多量の薬剤を処理しても駆除できないことが多いのがこのシロアリの特徴です。

しかし、いったん巣が見つかればわずかな駆除剤で駆除できます。

活動エリアが広いので、ときには複数の建物に関与していることがありますので、近隣のシロアリ情報に注意が必要です。
一般に素人による駆除は難しいので、被害の現状を保存して技術者に相談すべきです。その際、これまでのシロアリの動きについての記録があればなお駆除が容 易になり ます。

このシロアリの生息地域で家を新築する場合は、あらかじめ近隣の情報をつかみ、その状態にあった対策を技術者と相談する ことが大切です。一般的な「消毒」や「予 防」では侵入が阻止できない場合もあります。

巣が見つからない場合や巣に直接処理できない場合も、誘集や誘殺によってあくまで巣の死滅を追求します。

乾材シロアリ対策

定期点検と部分駆除

アメリカカザイシロアリ、ダイコクシロアリ、ニシインドカンザイシロアリなどの乾材シロアリ は1本の柱にいくつも分散 して生息するので一度にその部位を把握でき ません。

したがって定期的に調査して、兆候が現れた部分を少しずつ駆除していくのが最も適しています。

砂粒状の糞が落ちいてるところの駆除はもちろんですが、羽アリが侵入した直後には白い木粉が出ますので、ここに 家庭用殺虫剤などを入れれば営巣を阻止できます。

この仲間のシロアリの被害では、建物のを倒すほどの被害にはなりにくいので、長期的な対策の計画を技術者と相談するのが 最善です。

環境や事情によっては一挙に駆除できるガス燻蒸も選択肢の一つですが、薬剤の効力は一時的ですので、近隣に生息していれ ば再び侵入されますので、定期的な点検は欠 かせません。

このシロアリの生息する地域で家を新築する場合、予防は無理ですので、万が一侵入されても対応しやすいように構造的な工 夫が必要です。

羽アリが出たら

薬では止まりません

羽アリは死を覚悟して飛び出すので、スプレー剤をかけても、テープで塞いでも出てきます。

ただ、羽アリの数はあらかじめ決まっているので、出尽くせば何もしなくても止まります。もちろん巣は生きているので、別 途に駆除が必要です。

もちろん、あちこち散らばるのを止めるのにスプレー剤は有効です。「シロアリ用」でなくても「ハエ・カ用」で充分です。薬剤を使いたくない場合は、石鹸液のスプレーでもいいです。

飛び出し口(通常蟻土が吹き出ている)が分れば、掃除機のノズルを当ててどんどん吸うのも一つの方法です。

どのように羽アリが飛び出したのかというのは、駆除の参考になりますので、記録すべきです。

ヤマトシロアリの場合、建物から離れた庭先の杭などの羽アリは特に駆除の必要はありません。

シロアリの羽アリは、どれも人間の衛生に関与しない清潔な虫ですので、触れても口に入っても構いません。

ヤマトシロアリやイエシロアリでは、羽アリをすべて殺す必要はありません。生きる可能性は極端に低い上に、いきなり木材 を食べたりしません。

一方、乾材シロアリの羽アリは、営巣率が非常に高いので、丹念に殺す必要があります。また、直接木材に潜り込みます。

羽アリシーズンの駆除では、すべての羽アリに薬剤処理できないため、残存の羽アリが駆除後に出ることがあります。


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