芯のある材芯のない材における
被害の違い

ヤマトシロアリは古来日本の家屋と一定の関係を作ってきましたが、最近では家屋の急激な変化によって被害の様相も変化しています。とくに芯のない集成材が 構造材として普及されることをふまえて、ここでは土台、柱といった構造材における芯の有無によってヤマトシロアリ被害がどのように異なるかを比べます。


芯のある材の場合 (芯材または芯持ち材)
芯のある場合、芯に近づくほど硬く化学的な組成が緻密になるため、シロアリによって材が完全になくなってしまうことは稀で、多くの場合芯の部分が残ります。だから、芯が残ることにより、かなりの被害であってもかろうじて重みに耐えることができます。
(注意・シロアリが「芯に含まれる化学成分を嫌う」というようにとらえるべきでなく、あくまで辺材部との差異としてとらえるべき。)

かなりの被害を受けた大引だが
床をしっかり支えている(築60年)
巣の状態にまで加害されても束はつぶれない


芯のない材の場合 (辺材または集成材)
芯がない材は、硬さも化学的組成もほぼ均一で柔らかいので、一定以上の勢力を持つシロアリは材の全体を同時的に、しかも割合速いスピードで加害します。し たがって、芯のない材ではいかに強固な金具で結合されていても、シロアリ被害を受けた場合、重さを支える力はまったくなくなってしまいます。
こうして、元来「家を倒すシロアリ」ではないヤマトシロアリを「家を倒すシロアリ」にしてしまうのです。
築5年で折れている大引 完全に崩壊している束 押せばつぶれる集成材の上がりカマチ