シロアリ被害と混同される現象

●木材の腐朽●

木材の変化(劣化)のなかには、シロアリがまったく関与していないにもかかわらず、シロアリ被害と混同される現象があります。



これは褐色腐朽(赤ぐされ)という木材の劣化で、シロアリ被害ではありません。そしてこういう状態の木材をシロアリがさらに加害することは一般的にはありません。
これは白色腐朽(白ぐされ)というもので、これもシロアリは関与していません。シイタケはこの白色腐朽菌の仲間です。

Q.しかし木材に穴があいている部分があるし、かじられたような跡があるが‥‥。
A.そ れは、木材腐朽によって材が柔らかくなったため、アリやその他の昆虫類(またはそれらの幼虫)がかじって穴を開けたものです。また、アリなど一部の昆虫は 土を持ち込むこともあり、シロアリ被害のように見えますが、シロアリの蟻土よりもさらさらしていて、木粉・木片・種子など雑多なものが混ることがありま す。

Q.その対応は?
A.木材を取り替え、腐る原因となった環境や構造を変えることです。そのまま防腐剤(いわんや防剤)を塗るだけではだめです。もちろん、その付近にシロアリ被害や生息があるかどうかについては別途に判断が必要です。


● アリの巣など●

木材や家屋の隙間に土の構築物があり、部分的に木材がかじられ、しかも蟻道のようなものまであれば、シロアリ被害と思われてしまいます。
しかし、「似て非なるもの」というものは昆虫の世界にもあるものです。



これはベランダの外壁材と構造材の間に作られていたアリの巣の一部です。
外壁材の裏側にはべっとりと土が不規則な模様を描き、下地板は表面が浅く滑らかにかじられていました。
ヤマトシロアリの巣と比べてもろく、内皮構造もありません。
これは土と木粉によって作られた床下のアリの巣です。蟻道まで見えます。
これを撤去しても木材がかじられた様子はありません。イエシロアリの巣と比べて異常に軽く、表面に糞による点状の模様もありません。
(左も含めてアリの種は不明)

木材集積場の丸太の空洞にできた生き物の巣。アリの巣のようだがよくわからない。
いずれにせよシロアリのものではない。

民家の基礎にできたアリの蟻道。
雨漏りがあるとこういうことになりやすい。
アリの侵入は、いつも蟻道ができると限らず、行列だけの場合もある。


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