木材が腐ることシロアリ被害にあうこととの違い

木材の腐りとシロアリ被害が混同されて論議されることがよく見られます。しかし、この二つの現象はまったく異なるものなのです。たまたまヤマトシロアリの 習性が、木材の腐る現象にある程度関与するということからこういう混同が一般化していると思われます。ここではヤマトシロアリの被害と木材の腐りとの違い をまとめてみます。

木材の腐り
シロアリの被害
原因
木材腐朽菌の存在 (普遍的に存在する) シロアリの存在と活動 (土地によって様々)
起因
水分・空気・木材があれば発生する
一般には湿気があれば発生する
家屋の形状や生物バランスなど様々な条件
温度
低温から高温まで幅広い温度域で起きる どちらかというと高温域のほうが可能性が高い ※1
基本的養分
セルロース、ヘミセルロース、リグニン セルロース、ヘミセルロース
木材の含水率
大きく左右される 侵入にも生息にも、まったく関係がない ※2
乾燥の意味
腐りを停止させたり、防腐要因として決定的 ほとんど意味がない
相互の関係
すでに腐ってしまった木材にはシロアリの栄養分は少なく、むしろ腐っていない木材こそが被害の目標となる。また、腐るからシロアリが発生したり誘引されたりするのでなく、シロアリが加害と同時に土と水を持ち込むことによって腐りが始まる。
※1 シロアリの「最適温度」という概念があるが、根拠とされる試験のあり方が生態的でなく、実際上あまり意味がない。
※2 木材の含水率とシロアリの生息についての試験結果があるが、これは土壌から切り離した個体の試験であって、常に土壌や水源と連絡して活動する実際のシロアリの生態には適用できない。