シロアリの区分

シロアリは、いくつかの基準で区分することができ、ここにその一部を紹介します。


生息場所による区分
土壌性
シロアリ
土生息性シロアリ
もっぱら土中または土の塚に生息する
シロアリ科キノコシロアリ亜科
タイワンシロアリ、オオキノコシロアリの仲間など
シロアリ科テングシロアリ亜科の一部
オーストラリアの塚生息性の種など
シロアリ科シロアリ亜科の一部(土食い系)
ニトベシロアリ、ムシャシロアリの仲間など
シュウカクシロアリ科
土木生息性シロアリ
土中にも木材や樹木にも生息する
ふつう土壌と関係する
ミゾガシラシロアリ科の多数
イエシロアリやヤマトシロアリなど
シロアリ科テングシロアリ亜科の一部
タカサゴシロアリの仲間など
非土壌性
シロアリ
木生息性シロアリ
土壌と関係しない
乾材シロアリ湿材シロアリとに分かれる
レイビシロアリ科 (乾材・湿材)
アメリカカンザイシロアリやナカジマシロアリの仲間など
オオシロアリ科 (乾材・湿材)
オオシロアリやアメリカオオシロアリの仲間など
ミゾガシラシロアリ科の一部 (湿材)
「地下シロアリ」という概念は非常にあいまいな概念であって、土壌との関係で明らかに生態の異なるものを統合してしまっています。
とくに、イエシロアリやヤマトシロアリなどを「地下シロアリ」と呼ぶのは、きわめて大きな誤解と対策上の失敗の原因となってしまいます。
また、オオシロアリ科だけを「湿材シロアリ」とする見解がありますが、オオシロアリ科のなかでもかなり乾燥に強いものもいるし、レイビシロアリ科のなかにも乾燥に弱いものもいます。
したがって、「乾材」と「湿材」は木生息性のシロアリ全体を区分するものでなければならないと考えます。



食べる物による区分
木材・樹木を食べる イエシロアリやヤマトシロアリなどミゾガシラシロアリ科
アメリカカンザイシロアリなどレイビシロアリ科
オオシロアリ科
タイワンシロアリなどシロアリ科の一部(キノコに変えてから)
落ち葉や枯れ枝など
植物の残滓を食べる
タカサゴシロアリなどテングシロアリ亜科の一部
タイワンシロアリなどキノコシロアリ亜科の一部(キノコに変えてから)
シロアリ亜科の一部
ミゾガシラシロアリ科の一部
草を食べる シュウカクシロアリ科
テングシロアリ亜科の一部
キノコシロアリ亜科の一部(キノコに変えてから)
シロアリ亜科の一部
腐葉土化した植物遺体を食べる ニトベシロアリなどいわゆる「土食い系」のシロアリ
地衣類(コケなど)を食べる コウグンシロアリの仲間 Hospitalitermes



コロニーの性格による区分
大規模集中型
イエシロアリの仲間
タイワンシロアリなどシロアリ科キノコシロアリ亜科の多数
タカサゴシロアリなどテングシロアリ亜科
 その他
小規模分散型
ヤマトシロアリの仲間
シロアリ科の土食い系
レイビシロアリ科
 その他



採餌パターンによる区分
ワンピースタイプ (住処と餌場が同じエリア)
木生息性のシロアリ
ヤマトシロアリやイエシロアリの仲間
その他
セパレーツタイプ (住処と餌場が別の場所)
シュウカクシロアリ科
シロアリ科テングシロアリ亜科の多数
シロアリ科キノコシロアリ亜科の多数
シロアリ科ツカシロアリ亜科の多数
その他
イエシロアリ属をセパレーツあるいは中間型とする見解もありますが、泥線・泥被といった臨時の採餌方式ではなく、
蟻道という生息エリアそのものの伸長による採餌であるので、ワンピースタイプとしたほうが生態としては妥当だと考えられます。

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