これは大量の薬剤散布から脱する上では大きな前進ではある。しかしこれを手放しで喜ぶわけにはいかない。 もともとシロアリ対策よりも物売りが得意な床下産業は、「定期点検」を口実に毎年顧客の家を訪れては換気扇やら炭やら様々なものを売り込む。いわば床下の「経時変化」を根拠にした新たな押し売りである。 そのうえ、こういう「定期点検」にかぎって無料ときている。あたりまえだ、客のための点検ではなく営業だからだ。あるいは、初回の薬剤処理を異常に高い値 段で行ない、定期点検費用を最初に取っている場合もある。こんな場合は客が定期営業の費用まで支払うことになってしまうのだからアホらしい。 また、多くの場合こうしたサービス風の「定期点検」では、シロアリの話よりも湿気や今流行りの耐震対策の話が多い。 とくに耐震では、不思議なくらいに異論のないキャンペーンが日本中で行われているので、脅しの材料としては第一級である。だから、換気扇、換気口の金網、炭‥‥と渡り歩いてきた床下産業にとっては新たな魅力的市場となっている。 そして、わけのわからない金物を床下や天井裏に大量に設置し、多大な費用を強いられても客はがまんしてしまう。 シロアリ対策としての定期点検は有料が基本である。ウイスキーのコマーシャルではないが、何も足さないし、何も引かない客観的で専門的な点検と報告は有料以外になしえないのだ。業界に入って間がないような金髪のお兄ちゃんができる仕事ではないのだ。 2002/2
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