シロアリが自ら毒餌を食べに来る?
台湾のある文物館は戦前に日本が建てた建物で、長期にわたってイエシロアリの被害を受けている。
管理人はシロアリ被害に困ってある業者を呼んだ。
その業者は日本でも最近宣伝されているアメリカ式ベイトシステムをすすめたという。
しかし、床下にもぐりもしないで「これを設置すればシロアリが自分からやって来て毒餌を食べますよ」と子供だましのような説明をしたらしい。当然にも管理人はこれにはかなり不信を募らせたのである。
ところが、日本から来た技術者は床下にもぐるわ、天井裏には顔を突っ込むわ、はては建物周囲のシロアリの種類までいちいち説明するのだからかなり感動した様子。管理者はこんな説明は今まで受けたことがないというのだ。
つまり、シロアリの生態から対策を立てるのか、システムの立場から対策をいうのか、である。
日本でも「安全に巣ごと駆除する」というベイトシステムの業者が、ヤマトシロアリ地域でシロアリの生息について具体的に説明するのでなく、システムの都合 によって「犬走り」にどんどん穴を開けるということが進行しつつあるようだ。そんなことしなくてもヤマトシロアリとはうまくやっていけるのに‥‥。
2000/6