北京にシロアリはいなかった
薬剤メーカーの人たちと一緒に北京・瀋陽に行った。当初はシロアリがいないところなど行きたくない、とくずったのだが、「中国のシロアリの北限を調査したらどうですか」とかなんとか説得されて行くことになった。
北京は日本の岩手県や青森県と同じ緯度にある。位置的にいえば生息してもおかしくないのだが、大陸の気候は日本とかなり異なり、冬では氷点下数十度になるという。
しかし、とにかく探そうとおもってきょろきょろしたが、ヤマトシロアリのいそうな適当な廃材が見つからない。掃除のしすぎだ。公園の樹木の根元や垣根には木切れ一つ落ちていない。
やっとこさ中華民族博物館というところで大量の木杭を発見した。一つ一つ調べたが北海道北部と同じようにキノコや腐朽が先行している。
冬に雪が降るくらいならまだいい。おそらく地面が凍ってしまうのだろう。これでは棲北散白蟻と中国で呼ばれるヤマトシロアリもさすがに生きられないのだ。
文献によると、北京でのシロアリの棲息については記録があるらしいが、おそらく野外ではなく、家屋の扉枠など特殊な場所だと思う。
2000/10