うちで飼っているシロアリ
現在当社の事務所で飼っているシロアリは4種類。ヤマトシロアリ、アメリカカンザイシロアリ、タイワンシロアリ、ネバダオオシロアリだ。
ヤマトシロアリは4つのケースで飼っていて、一つは監視ボックスに入ったものをそのまま土入 りの大きなケースに入れたもので、今ではしっかりとした蟻道を構築している。別の二つは内部がカビていて、シロアリはカビと戦いながら生きている。もう一 つはタッパーウェアの中に木材を土ごと入れただけのもので、3年目になる。
アメリカカンザイシロアリは1992年から和歌山県のものを飼育しているが、93年に有翅虫 が飛び出して木材の各所にもぐりこみ、それらが今盛んに木粉や木糞を吹き出している。どこかの本には「アメリカカンザイシロアリは木粉を出さない」という ような説明があるがあれは間違いであることを示している。
タイワンシロアリは今年の2月に西表島から菌園ごと採取したもので、密閉ケースの中で泥線・泥被を盛んに延ばし、ヤマトシロアリ飼育用の木材束に泥被を貼り付けている。個体の動きはかなり活発で、菌園のまわりは完全に空洞になっているようだ。
ネバダオオシロアリは兵庫県のものを山根氏から木材ごと頂いたものだ。現在、古い材木の巣か ら移動して、後から飼育ケースに投入した建築現場の端材に移り住んでいる。だから、このシロアリをとくに湿材シロアリと呼ぶのは間違っているし、また、場 合によっては家屋への侵入もありうる事を示している。
とくにネバダオオシロアリは夜になると活動は一層活発になり、静かにしているとざわざわと音が聞こえる。
彼ら(彼女ら)の羽アリの群飛は、当社においては5月3日から26日までの毎日夕刻に起き、一度に十数頭群飛した。
最初のうちは出てきた有翅虫をすべて捕まえてサンプルにして知人に配っていたが、毎日出るのでだんだんおっくうになり、放っておくようになった。
だから、飼育ケースの内側には羽アリがくっついたまま死んでいるのだが、シロアリは何事もなかったかのように黙々と木材をかじっている。
一方タイワンシロアリは今後どうしようかと迷っている。
今の小型の密閉ケースが一応菌室の役割をしているのだから、さらに大きなケースにそのまま入れようか、それともこのままもっと観察できる状態で放置しようかだ。
現在の状態でならケースの内側に延びた泥線を裏側から眺めることが出来るし、菌園も下から見ることが出来るのだ。
このままタイワンシロアリタケが生えてこないかなあ。生えてきたら「養殖もの」を食べた人間の第一号になるのになあ。
2000/7