写真撮影の工夫、仕事の工夫

 他人の写真を平然と無断使用しているサイトがあるが、当サイトの写真もこれまで幾度か無断使用されてきた。
 ふつう指摘すれば直ちに削除して電話などで謝罪してくる業者がほとんどで、社長自ら丁寧な謝罪の電話をかけてこられた会社もあったが、なかには謝罪もな く黙って削除するだけのものや、ひどい場合はいっこうに削除せずに違法状態を放置している厚顔無恥な会社もある。しかもそういうところに限って自分のサイ トの写真だけは著作権を主張するという厚かましさがある。
 だいたい自分のところに写真がないというのは普段の仕事の質を示すもので、サイトにどれだけ立派なことが書いてあっても信用ならないものである。
 写真というのは面白いもので、その人の立場や考え方がにじみ出てしまう。
 床下産業のように客を不安に陥れて商売をするものの写真は、「悲惨な被害」「獰猛なシロアリ」「集団でうごめく気味の悪い生き物」というイメージに写っている。そしてそもそも写真が雑である。
 逆にシロアリに興味を持つ人たちの写真は、シロアリの表情まで読み取れそうな雰囲気で、駆除というもののあり様まで表現している。
 もちろん大きなシロアリ被害は悲惨だし、時にはシロアリも獰猛だし、集団でうごめくのも当たり前。しかし、写真には見事に違ったものが写っている。
 いい写真というのは、数多くの現場の中の一瞬にうまく遭遇することが必要であるが、そうした偶然に出会うのは常に前向きに仕事をしていないと出会えな い。たんに運がいいだけではなく、運に出会うような動きをしていないとだめである。そしてカメラに特殊な工夫を施すとか、可能性さえあれば手弁当で遠くま で出かける。
 つまり写真にはそれ相応のコストがかかっているし愛着もあるものだ。
 やっつけ仕事で薬剤を散布する人や休み時間にギャンブルの話に興じていたりするような人にはそういうチャンスはやってこない。いや目の前にそういうチャンスがあっても気がつかないのである。そしてこういう体質の会社に限って平気で他人の写真を使うのである。

 昔はカメラも高価で、しかも高機能なカメラでないとうまく写真が撮れなかった。しかし今ではデジタルカメラが手ごろな価格で入手できるのだから工夫次第 ではいい写真が撮れる。しかもデジタルカメラというのは一眼レフと同じように主レンズからの画像を確認しながら撮影できるし、多くの機種では接写機能もあ る。しかし、これもシロアリ駆除の道具と同じで既存のものをそのまま使っていてもうまくいかない。フラッシュが強すぎるとか、余計なピント合わせ機能など でシャッターが思うように切れないとか、大きすぎて細かな運用ができないとか、埃や水に弱いとか様々な制約がある。
 私たちの仲間はこれをうまく克服するように工夫して撮影している。私の場合、もともと水中撮影できるカメラであっても手製のカメラカバーをかぶせて埃や 傷を防ぐと同時に、撮影時の工夫がしやすいようにカバーにも工夫してある。そして仕事の際には画素数の少ない古いカメラと新しいカメラと両方持っていく し、床下でそういう道具を持ち運びやすいように専用のライトつきコンテナを自作している。

 ライトといえば最近はLEDのものが出回り、電池でも長時間使用できるので助かっている。しかしこれも工夫しないとだめである。高価で明るいものの多く は使用時間が短く、多くの場合光を拡散させるとさほど明るくない。仕事をする場合はスポットライトよりも拡散ライトのほうが使いやすい(調査では両方要る が)わけで、拡散という点では自転車用のライトのほうが使いやすく長持ちする。今私は百円ショップで買ったランタンの球だけをLEDに取り替えて使ってい るが、これが案外具合がいい。

 というわけで最近は一般の駆除では長いもの(薬剤ホースや電灯線)を引っ張っていく機会がめっきり減った。大型薬剤タンクと動力噴霧器を廃止し、長いも のを引っ張らなくなったことでかなり身軽になったといえる。そしてその分特殊な方法や工夫にいっそう力を入れられるようになったのである。
 そして1枚の写真もこんな工夫の中から生まれているということを多くの人に知っておいてもらいたいものだと思っている。

2009/2