割合掃除されているタタミと寝具から吸い取ったゴミを持ち帰り、50ccのコルベンにつっこんだ。 機材が整っているわけでもないので、飽和食塩水分離法というやつだ。もうこれ以上溶けないほど塩を溶かした湯をさまし、猛烈に辛い塩水を作り、その中で浮 かせたダニをろ紙に流して拾い上げるのである。水を吸い取る器具がうまく吸い取らないのでろ紙の下にティッシュを入れて吸い取った。 ダニのいるはずのろ紙を実体顕微鏡下で自作の針先を使って拾い出し、同定用顕微鏡のスライドグラスのうえにのせる。 米粒のように見えるのがダニである。しかしろ紙の上にはいろいろな物体が色とりどりにころがっている。 白い色の石ころ、なにか光る物体、色とりどりの繊維、岩石にも見える茶色の木屑、赤や緑の樹脂の破片、胴のないヒラタチャタテの頭、不明な昆虫の足、蛸足状の生き物の抜け殻などとにかくいろいろなものが見える。まるで万華鏡だ。 たぶんこのサンプルを採取した家の人に見せるとビックリするほど多様な景色である。。 家というものは、無数の生き物が知らない間に入り込んで生活しているものだ。こうした生き物は人間の意図しない形で生息している。そしてたぶん間接的かもしれないが人間に関与しているはずである。 どこかの建築士らしいのが「密閉されているのだからホコリなど溜まるはずがない」といっていたが、家に対する無知を表明している。ホコリというのは多様な 物質なのである。そしてありとあらゆる隙間や機会によって移動するし生産もされる。人間の体や衣服についても移動するし、住み着いたりもする。 たぶん、何人かに一人の割合で、名刺入れ、サイフ、ハンカチ、ポケットなどを調べるといろいろ面白いものが見られるはずである。なかにはなにかやばいものが見つかったりするかも‥‥。 2004/6
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