どうも薬剤が効いているからシロアリが侵入しないと思っているようだが実は違う。ヤマトシロアリではそれほど頻繁に薬剤処理部分にアタックしているわけではない。 イエシロアリの巣が割合近くにある場合は、確かに侵入経路に薬剤バリアがあればそれは常にアタックを受けている。その場合は薬剤の有効期間とは関係なくシロアリの勢力が強ければ薬剤処理した翌年にも突破される可能性もある。 しかし、ヤマトシロアリの地域では一旦駆除で押さえ込んでしまえばシロアリは死滅に近い状態になり、薬剤などあろうがなかろうがほとんどアタックしなくなる。これはピンポイント駆除だけで予防処理しないという5年来のシロアリ対策の経験から得られたことである。 実際、数十本も蟻道があるシロアリの活性の高い床下ですら、蟻道だけ駆除すれば予防的な薬剤処理なしでもほとんどシロアリは復活しない。 また、最近多くなったベタ基礎(防湿コンクリートとは異なる)では、もともとその構造(形)によっていわばバリアが形成されているので予防薬剤の意味はほとんどない。 要するに、床下全体で薬剤バリアとシロアリが常にせめぎあって5年間経過するというのは単なる空想でしかない。 したがって、当然にも5年経過したから薬剤をまく必要などまったくない。要はシロアリの動きがあるかどうかの見極めだけである。 ヤマトシロアリしかいないある新興住宅地では、どの家も一様に玄関へ向かう部分が枕木の階段となっているところがある。そしてほとんどシロアリが生息し、 なかには巣の状態のものもある。しかし、床下にはまったくシロアリの動きはない。つまり、基礎断熱など特別な場合を除けば家の外のシロアリはそのままでは 家屋に関与しないのである。 定期点検の家ではこんなのもある。毎年床下にもぐると、シロアリ用の監視ボックスには侵入して餌を食べるが、基礎や束にはまったく蟻道を延ばさない。完全な共生状態である。 考えても見れば、かつての家屋ではこういうことだったのである。毎年床下を掃除する。蟻道ができれば自然と壊される。床下にシロアリはいるんだが被害とならない。土壌生物としてのシロアリの生息とシロアリ被害とが直接つながっていないのだ。 ひょっとすると、ヤマトシロアリ対策の究極の姿がこういう状態ではなかろうか。 2003/9
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