コンクリートの連続基礎(布基礎)が採用された当時も、コンクリートは裸のままなので、やはりシロアリは露呈した。 ところが、いつのまにやら基礎の表面に仕上げのモルタルが塗られるようになった。とくに構造的に必要があるのではないが、いまやそうするのが当たり前になり、裸の基礎の方が少なくなった。 この仕上げのモルタルというのは一定期間経過するとどこかで剥がれ始める。玄関周りでは最初からコンクリートに密着していない場合すらある。そして、これがシロアリにとっては空気に触れずに侵入できる道となるし、現になっている。 そのうえ、場合によっては玄関周りでは基礎そのものがポーチの下までタイルや外壁材で覆われ、まったく外から見ることもできないこともある。 たぶん最初は少数の人たちが始めたのだろうが、こうした意味のない厚化粧は、自然とのかかわりから「やっていいことといけないこと」をわきまえていた昔の 棟梁が消え行く中で、ほとんど吟味もされずに流行ってしまった。なかには、基礎の外周に御影石の板や断熱材を貼り付けているところもある。 基礎コンクリートくらいどうして裸にできないのだろうか。どうしても飾りが必要というなら、せめて玄関側だけにしたらいいではないか。 他方では「建築家センセー」の「作品」には外壁コンクリート打ちっぱなしの見苦しい家が多い。 コンクリート打ちっぱなしの「作品」では、「自然」を意識して中庭などに植物があったり、池があったりするが、それらは正当に生き物として評価されているものではなく、ただの素材でしかない。 木が一本あることで、あるいは池があることで、生き物がその建物にどのように適応するのかについてまったく考慮されてはいない。これこそ建物を機能でしか考えられない20世紀的列島改造的な思想の表現である。 そして、そんなところにばかり目を向けるものだから、足元がいつのまにかひどい厚化粧になっても反省できないのである。 2004/2
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