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天国の中堀由希子様へ

 由希子ちゃん、初めまして。お会いしたことも、お話したこともない私ですが、あなたのおかげで、とてもたくさんの方たちに出会えた喜びを伝えたくて、ペンを取りました。
 19歳の直前に白血病と告知され、21歳で亡くなった由希子ちゃんの3年間の生き様を本で読んだ時、私は自分の毎日を途方もない無駄使いに感じて、どうしても骨髄バンクのために何かをしたいと、強く思いました。
 でも、その頃の私には、自分に何が出来るのか、さっぱりわかりませんでした。
 一昨年の9月、やっと「骨髄バンクを支援する愛知の会」というボランティア団体にめぐり会い、去年の4月、由希子ちゃんの想いを、なんとか地元の皆さんにも伝えたくて、愛知の会で知り合った永井さつきさんと2人で「えんじぇる」を作りました。
 最初は、私たちの話なんか誰も聞いてくれないんじゃないかと思っていました。
でも、この8ヶ月、お祭りでフリーマーケットをしたり、コンサートでパンフレットを配ったり、イベントでアンケートをしたりと、私たちに出来る事を少しずつ広げてきました。
そのたびに、たくさんの方から声をかけていただいたり、励まされたりして、なんとか今日までがんばってこられました。
今では会員も15名程に増えて毎月1回、勉強会を兼ねた交流会も開けるほどになりました。
みんな、骨髄バンクのために何かしたいという熱い想いに燃えている、私の大切な仲間たちです。
 由希子ちゃん、今年の2月22日に「骨髄バンクとクラシック音楽のジョイントコンサート」を計画しているのよ。
初めて開く大きなイベントだから、スタッフは調整できるかとか、お客様は来てくださるかしらとか、不安はいっぱいあるの。
でも、来てくださった方の心があったかくなるコンサートにしたいなと、みんなではりきっています。
 新年だから、「えんじぇる」も新しい活動を計画しています。
お店の方に御協力いただいて、パンフレットを置かせていただこうと思っています。
 「えーっ、あんた骨髄バンクを知らんの。それでも三河の人間?やだねえ」なんて会話が聞こえる街にしたい。
ちょっと大きすぎる夢だけど、初夢だから、許してね。
 「21歳の別離」の表紙の由希子ちゃんに、いつも手を合わせて言います。
 「たくさんの人とのステキな出会いをどうもありがとう。
これからも、「えんじぇる」を見守って下さいね」と…
 天国のあなたに、届いているでしょうか。


浜田 順子(岡崎えんじぇる代表)

月刊 三河路
平成9年1月号(北白川書房)に掲載

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